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長崎みやげ話

  • 大村ずしを作ろう! 2008年03月05日
    大村ずしを作ろう!
    〜長崎の郷土料理(5)  大村編〜  大村ずしは、戦国時代に大村の土地を守った領主大村純伊と、勝利を喜んだ領民たちが生んだといういわれのある郷土料理です。  1474年(文明6)、大村家16代当主 大村純伊は、島原半島を治める有馬と激しい合戦を繰りひろげていました。有馬勢の攻防に押された大村純伊は、命からがら唐津の孤島へ落ちのびました。なんとか巻き返しを図ろうと必死の攻防を続ける純伊は、ついに大村領を有馬の手から奪還することができ、再び故郷の地を踏み凱旋帰国したのです。領民たちは、その無事な姿に大喜びしました。しかし、あまりに突然の帰郷だったので、祝い用の食器をすぐに用意することができませんでした。そこで大人数分を短時間で、しかも手軽に食べられる料理として「もろぶた」と呼ばれる長方形の木箱を使った押し寿司を考案しました。ご飯に刺身や野菜を散して上からギュッとサンドした彩り豊かな押し寿司を振舞いました。将兵たちは、脇差しの刀で寿司を切り分けながら食べたといわれています。  時を経て、祝いのもてなし料理となった大村ずしは、南蛮貿易で手に入るようになった砂糖がふんだんに使われるようになりました。  今回は、約500年の歴史をもつ郷土の味、大村ずしをご紹介します。 材料 ○米を炊く ・米 5合  ・酒 大さじ2  ・だし昆布 10cm角 ○寿司飯の合わせ酢 ・酢 100cc  ・砂糖 50g  ・塩 小さじ1 ○白身魚のそぼろ ・白身魚 150g  ・砂糖 大さじ1.5  ・酒 大さじ1  ・塩 小さじ1/6 ○そぎ牛蒡の炒めもの ・そぎ牛蒡100 g  ・油 少々  ・だし汁 少々  ・砂糖 大さじ1/2  ・薄口しょうゆ 大さじ1/2 ○干し椎茸とかんぴょう ・干し椎茸 20g  ・かんぴょう 15g  ・砂糖 大さじ1  ・酒 大さじ1  ・濃口しょうゆ 大さじ1  ・みりん 大さじ1/2  ・干し椎茸のもどし汁 適量 ○はんぺん ・はんぺん 50g  ・砂糖 大さじ1/2  ・酢 大さじ1/2 ○錦糸卵 ・卵 5個  ・塩 小さじ1/5  ・酒 大さじ1  ・グラニュー糖 大さじ1 ○用意するもの 押し寿司用のすし型を準備しましょう。 作り方 (1)寿司飯用のご飯を炊きましょう。  米を研いで、30分くらい水切りをします。次に炊飯器に米を入れ、昆布と酒を入れて、かために炊きましょう。(米の研ぎ汁は、牛蒡のアク抜きに使いますので捨てずに取っておきましょう。) (2)寿司飯をつくりましょう。  ご飯が炊きあがったら、昆布を取り除いて蒸らしましょう。小さな鍋で合わせ酢をひと煮立ちさせて冷まします。  ご飯が蒸しあがったら、飯台にご飯を移します。合わせ酢を少し残してご飯にまんべんなくかけ、しゃもじで切るように混ぜましょう。 *飯台としゃもじは、あらかじめ水に浸し、酢を含ませた布で拭いて準備しておきましょう。 (3)白身魚のそぼろをつくりましょう。  白身魚をゆでましょう。火が通ったら、皮や骨、血合いを取り除いて流水で洗い、身を細かくほぐします。  ほぐした白身を鍋で炒り、砂糖、酒、塩で味つけをします。 *今回は、白身魚に真鯛を使いました。 (4)そぎ牛蒡をつくりましょう。  そぎ切りにした牛蒡は(1)の米の研ぎ汁であく抜きをしましょう。水洗いをして水気を取って油で炒め、砂糖と薄口しょうゆで味付けします。 (5)干し椎茸とかんぴょうをつくりましょう。  干し椎茸は水に戻して細かく切ります。かんぴょうは茹でてから刻みます。鍋に干し椎茸とかんぴょうを入れ、干し椎茸のもどし汁、砂糖、酒、濃口しょうゆ、みりんで煮ましょう。 *かんぴょうの準備! 水で軽く流し塩でもみ洗います。約10〜15分ゆで、水で洗って絞ります。 (6)はんぺんに味付けしましょう。  小さな角型に切って、砂糖と酢をふりかけておきましょう。 (7)錦糸卵をつくりましょう。  フライパンで薄焼き卵をつくりましょう。冷めてから細く切ります。ここで南蛮貿易がもたらした大村独特の砂糖の使い方! グラニュー糖をまぶします!! (8)材料を重ねていきます。1段目!  すし型を準備しましょう。あらかじめ、すし型を手水(酢と水を同量であわせたもの)でぬらしておきましょう。さぁ、材料を順番に重ねていきますよ。  まず1段目に半分の寿司飯を薄くひろげます。そぎ牛蒡(4)と干し椎茸・かんぴょう(5)を1/3ほどの分量を全体に散します。 (9)材料を重ねていきます。2段目!  2段目は、再び残りの寿司飯を広げ、そぎ牛蒡、干し椎茸、かんぴょう、はんぺん、白身魚のそぼろ、最後に錦糸卵、の順番で、具材の色の濃いものから先に重ねていきます。残りの合わせ酢をかけて、手のひらで軽く押しましょう。 (10)完成です!  すしの蓋でキュッと押しましょう。そのまま30分ほど置いたら、5センチ角に切り分けて完成です。  さぁ、いただきましょう! ★調理のポイント★ 各家庭には、こだわりの具材があるようですよ。刻んだ奈良漬けやタケノコ、かまぼこ、刺身、木の芽など、お好みのトッピングで楽しんでください。 関東で"はんぺん"と言えば、白くて丸いもの。でも、長崎ではんぺんと言えば、赤と緑の鮮やかな細長いものをいいます。ちゃんぽんや皿うどんに入れたり、長崎の郷土料理にはかかせない材料です。  海と山に囲まれた城下町で誕生した大村ずしは、自然豊かな地の利を活かして、新鮮な魚と旬の山菜がいっぱい詰まっています。ほんのり甘く、彩り豊かな大村ずしは、お花見やピクニックなど行楽シーズンにぴったりの料理です。ぜひ、お試しください!  キリシタン時代の大村を紹介した「ながさき歴史散歩」の第9回『キリシタン時代の面影をたどる大村の旅〜日本初のキリシタン大名の大村純忠〜』も、あわせてお楽しみください! 参考文献 長崎県栄養士会 「旅する長崎学6 キリシタン文化 別冊 総集編」 企画/長崎県 制作/長崎文献社 2007年
  • 豚の角煮を作ろう! 2008年01月30日
    豚の角煮を作ろう!
    〜長崎の郷土料理(4) 中華編〜  豚の角煮は、卓袱料理や中華料理のフルコースの一品としてふるまわれる長崎の郷土料理です。約2日かけてじっくり煮込まれた角煮は、箸でつかめば肉の繊維がホロリとほぐれ、口に含めばトロリとやわらかく、甘いたれがしっかりとしみこんでいます。  角煮は、中国・杭州から伝わりました。宋代の詩人 蘇東坡が愛した料理として有名な東坡肉(トンポウロウ)がルーツだといわれています。  食べ方は、ねり辛子を付けていただきます。中華饅頭が一緒に出されたら、中にはさんでいただきましょう。  長崎の家庭料理として、祝い事に限らず、おやつや御飯のおかずとして食卓に並ぶ一皿。 今回は、コラーゲンたっぷりの豚の角煮をご紹介します。 材料 ・豚バラ肉(下皮付塊) 500g   ・たまねぎ 100g(1/2個)   ・にんじん 150g(小1本)   ・生姜 1片   ・ニンニク 小1片   ・八角 1片   ・ねり辛子 適量 ○調味料 ・濃口しょうゆ 1/4カップ   ・砂糖 1/4カップ   ・水 適量   ・紹興酒 50cc 作り方 (1)豚肉を茹でましょう。  豚肉はバラ肉(三枚肉)を使用します。肉は切らずに塊のまま鍋に入れます。皮を剥いて半分に切ったたまねぎ、ブツ切りにしたにんじん、スライスした生姜、薄切りにしたニンニク、香り付けの八角、水をひたひたになるように加えて火にかけます。沸騰したら弱火にして約3時間ほどゆでましょう。圧力鍋を使用する場合は約25〜30分です。 粗熱をとって、ゆで汁に浸かったまま、鍋ごと冷蔵庫に入れて一晩寝かせます。 (2)豚の脂"ラード"を取り除きましょう。  翌日、冷蔵庫から鍋を取り出します。するとゆで汁の表面に、豚の脂"ラード"が白く固まっています。これを取り除きましょう。  ゆで汁はキッチンペーパーで漉します。  豚肉は温かいお湯で洗って、表面の脂をきれいに洗い流し、1.5〜2センチの厚さに切り分けましょう。 (3)蒸す!  蒸器を用意します。  深めの陶磁器に(2)のゆで汁、濃口しょうゆ、砂糖、紹興酒を入れて約40分〜1時間ほど蒸しましょう。  この間に、付け合わせの野菜を準備します。ほうれん草を軽くゆでて氷水で冷まし、水気を絞って食べやすい大きさに切っておきます。 (4)煮詰めて照りがでたら完成です!  (3)を別の鍋にとり、15分ほど煮ながら照りを出しましょう。強火で汁を煮詰めて水分を飛ばし、トロミと照りがでてきたら完成です。  皿に盛り付け、練り辛子を添えれば完成!! さぁ、いただきましょう! ★調理のポイント★ (2)で取り除いた豚の脂はラードです。チャーハンや野菜炒めなどの炒め物に利用できますので、捨てずに保存しておくと便利です。 ゆでたホウレン草の代わりにチンゲン菜を添えても彩りがきれいです。  長時間かけて煮込んだ角煮は豚の脂が落ちていますので、しつこくなくあっさりとしていて、コラーゲンたっぷりです。時間はかかりますが、味付けはシンプル。ぜひ、チャレンジしてみてくださいね。  2008年2/7(木)〜2/21(木)、長崎では旧正月(春節祭)を祝うランタンフェスティバルが開催されます。湊公園を中心に中華街、唐人屋敷、唐寺などの各会場でイベントがおこなわれ、長崎の街はランタン(中国提灯)の灯りに彩られ幻想的な雰囲気に包まれます。異国情緒あふれる長崎の食と文化を楽しんでみてはいかがでしょうか。 参考文献 長崎県栄養士会
  • 具雑煮を作ろう! 2008年01月16日
    具雑煮を作ろう!
    〜長崎の郷土料理(3) 島原編〜  具雑煮は、島原半島の郷土料理です。その誕生は、約370年前に起こった"島原の乱"に由来するといわれます。  1637年(寛永14)、総大将の天草四郎率いる約3万7千人の一揆軍が、幕府軍との攻防の末、原城(南島原市)へと籠城しました。蓄えていた餅と、海や山でとれた具材を持ち寄って煮込んで食べたのではないかといわれています。寒さの厳しい冬に、この料理で体を温め、栄養を補給しながら、戦ったのではないでしょうか。  現在、島原らしい郷土料理として親しまれている具雑煮。中身は、鶏肉、丸餅、かまぼこ、旬の野菜など約10種類以上にものぼります。薄口しょうゆでほんのりと味付けした素朴なスープを飲むと、野菜の甘みが口いっぱいに広がり、体が温まります。今回は、具雑煮づくりに挑戦です。 材料:1人前 ・鶏肉 25g  ・丸餅 40g(小4個)  ・里芋 30g(小1個)  ・白菜 50g(大きい葉っぱの約半分)   ・だいこん 50g(1/20本)  ・にんじん 30g(1/5本)  ・ごぼう 30g(1/5本)  ・春菊 適宜  ・干し椎茸 0.4g(0.5枚)  ・凍り豆腐 3g(1/2枚)  ・油揚げ 1/2枚  ・かまぼこ 1/6個 *かまぼこは、ちくわ、昆布巻き、板付けなどお好みに合わせて3〜4種類を、各2切れずつ用意しましょう。また、長崎では、イワシやサバを原料にした薄い円形のかまぼこを "はんぺん"と呼ぶ場合があります。このはんぺんを入れてもおいしいですよ! ●調味料 ・薄口しょうゆ 6g(小さじ1)  ・濃口しょうゆ 6g(小さじ1)  ・みりん 17g(大さじ1)  ・酒 15cc(大さじ1)・塩  0.1g ●だし汁 ・かつお節 2g  ・だし昆布 2g  ・水  200cc ★用意するもの ・1人前の鍋を人数分 作り方 (1)だし汁をつくりましょう  あらかじめ、だし汁を準備しておきましょう。  鍋に、水、干し椎茸、昆布を入れて約30分〜1時間ほど浸します。沸騰する直前で昆布と干し椎茸を取り出しましょう。鍋にかつお節を加え、沸騰したらすぐに火を止めます。ザルなどで濾しましょう。  *取り出した干し椎茸は、包丁で薄く切ってください。 (2)材料を切りましょう  野菜を食べやすい大きさに包丁で切ります。里芋は乱切り、ごぼうはささがき、にんじんと大根は短冊切り、白菜は3センチ幅に切りましょう。  凍り豆腐は、水に戻して薄切り、かまぼこは薄切り、油揚げはざっくりと切ります。 (3)鍋で鶏肉を炒めましょう  一人前の小さな土鍋を用意しましょう。  鍋を火にかけて、こま切れにした鶏肉を中火でから炒りします。 (4)だし汁を加えましょう  鶏肉の表面に火が通ったら、(1)のだし汁を加えましょう。 (5)野菜を煮ましょう  だし汁が沸騰してきたら、にんじん、ごぼう、さといも、だいこん、干し椎茸を加えて煮ましょう。アクを取り除いたら、弱火にしてコトコトと煮ます。  野菜に火が通ったら、薄口しょうゆ、濃口しょうゆ、みりん、酒、塩でほんのりと味付けです。 (6)餅の登場です!さらに具材を加えてひと煮立ち  さらに白菜、油揚げ、凍り豆腐、かまぼこ、丸餅を加えましょう。火加減を調節して鍋に蓋をし、ひと煮立ちさせます。 (7)完成です!  丸餅がやわらかくなったら食べごろですよ。中央に春菊を盛り付けて完成です。 さぁ、いただきまーす! ★調理のポイント★ 焼きあご(長崎の特産で、干した飛魚を炙ったもの)でとった"あごだし"でつくってもおいしいですよ! 島原半島では、卵焼き、焼きアナゴ、れんこんを入れたりします。 各家庭で、材料や味付けは様々です。レシピに掲載した材料にこだわらず、いろんな素材を用意して、とにかく具だくさんに仕上げましょう! 島原半島では、白菜ではなくシロナという野菜を使います。  あっさりとしていながら出汁はしっかりと。野菜の甘みが引き立つやさしい味にプラスして、お餅がパワーを体にみなぎらせてくれるような、元気なおいしさです。お正月のお雑煮としてだけでなく、寒い冬はいつでもOK。腹持ちが良いので受験生にもオススメですよ! ぜひ一度、お試しください! 参考文献 長崎県教育庁体育保健科「長崎の郷土料理(学校給食レシピ)HP 長崎県栄養士会 「旅する長崎学3 キリシタン文化掘廖ヾ覯茵芯杭蠍 制作/長崎文献社 2006年 島原温泉観光協会
  • ヒカドを作ろう! 2007年11月28日
    ヒカドを作ろう!
    〜長崎の郷土料理(2)〜  江戸時代、長崎に渡来した南蛮料理「ヒカド」。ポルトガル語の"Picado"「細かく刻む・調理する」という言葉が由来となっています。この料理は、さつまいもをすりおろして、とろみをつけた具だくさんのスープです。さつまいも本来の甘みが他の食材を調和してくれるやさしい味。冬の寒い日に食べればポカポカと体があたたまります。  安土桃山時代、長崎の町にはたくさんの教会が建ち並び、ポルトガル人が多く暮らしていました。長崎っ子がポルトガル人との交流のなかで、異国のさまざまな料理を教えてもらっていたとしても不思議ではありません。  1614年に発布されたキリスト教の禁教令によって、宣教師たちは国外に追放されることになり、ポルトガル料理を作ることはなくなってしまいましたが、入手できなくなったお肉を魚に代用したりしてアレンジを加えながら代々受け継がれた味は、いつしか長崎の郷土料理となりました。  江戸中期の料理本を読むと、「ヒカド」は中国風の調理をする南蛮料理として紹介されています。材料には、鶏(または鴨)、イカ、エビ、大根が使われていました。次第に庶民にも広まり、具材のアヒルがまぐろに代わり、さつまいもを使っています。  ヒカドの極意はとろみにあり! ポルトガル人はとろみにパンを使っていました。しかし禁教令でパンが入手できなくなり、中国の調理法をヒントに、長崎っ子がさつまいもでとろみをつけることを思いついたのではないでしょうか。さらに『割正録』によると、19世紀の長崎では、すりおろしたさつまいもでとろみをつけると「ススヘイト」、とろみをつけずにサラリとしたスープに仕上げると「ヒカド」と区別していたようです。お好みで楽しんでくださいね。 材料:4人前 ・カジキマグロ 50g  ・豚もも肉 50g  ・大根 100g(約1/10本)  ・にんじん 40g(約1/2本)  ・さつまいも(角切り用) 100g(約1/2本)  ・さつまいも(すりおろし用) 50g(約1/4本)  ・干ししいたけ 1.6g(約2枚)  ・葉ねぎ(青ねぎ) 16g ●マグロに下味する調味料 ・塩 1.5g(小さじ3/10)  ・酒 2g(少々) ●調味料 ・油 少々  ・薄口しょうゆ 12g(小さじ2)  ・塩 1g(小さじ1/5)  ・酒 20g(小さじ4)  ・水 440g  ・かつお節 4g  ・だし昆布 3g 作り方 (1)マグロの下ごしらえ  マグロを角切りにして、塩と酒で下味をつけます。 (2)野菜を切りましょう   大根・さつまいも・干ししいたけは1.5センチの角切り、豚もも肉は食べやすい大きさに、にんじんは厚めのいちょう切り、葉ねぎは小口切りにします。 (3)調理しましょう  鍋に少量の油を入れて、(1)で下味をつけたマグロの角切りを鍋に入れます。表面に焼色がついてきたら、いったん鍋からおろします。同じ鍋で、豚肉・にんじん・干ししいたけを炒めます。大根・さつまいもも加えて炒めたら、だし汁を入れます。  グツグツと沸騰してきたらアクを取り除いて、マグロを加えましょう。 (4)さつまいもでつけるとろみ  すりおろしたさつまいもを鍋に入れます。火の通りが早いので、アッという間にトロミがでてきますよ。 (5)味を調えましょう  味をみながら、酒・薄口しょうゆ・塩で味をつけます。コトコトと煮込んで、器に盛り付けて、葉ねぎをちらしたら完成です。 さぁ、いただきましょう! ★調理のポイント★ 江戸中期に書かれた「料理談合集」のレシピのなかに卵が登場します。溶き卵を流しこんでふんわり仕上げるのもオススメです。 旬の魚を使いましょう。カジキマグロだけではなく、甘鯛・イトヨリなどでも代用できます。  素朴でやさしい味わいですが、長崎で採れた新鮮な海の幸・山の幸の香りが、口いっぱいに広がります。とろみに使ったさつまいもが、魚と肉と野菜のうまみを調和してくれています。カラフルな具材と透き通ったさつまいもの黄色いスープを一口いただくと、教会のステンドグラスのやさしい光を、ふと思い出してしまいました。キリシタン文化から生まれたヒカドを作ってみませんか! 参考文献 長崎県教育庁体育保健科「長崎の郷土料理(学校給食レシピ)HP 長崎県栄養士会 「長崎学・續々食の文化史 食文化をたずねて」 著者/越中哲也 発行/長崎純心大学博物館 2002年 「長崎市史・風俗編」 著者/古賀十二郎
  • 浦上そぼろを作ろう! 2007年09月12日
    浦上そぼろを作ろう!
    −キリシタン文化が生んだ郷土料理−  キリシタンの里「浦上村」で、ポルトガル人の宣教師は信徒たちに"肉を食べる"という習慣を伝えました。 それを知った村の人たちは、長崎人の味に合うように豚肉を油炒めにした料理「浦上そぼろ」をつくったようです。 「そぼろ」とは方言で千切りの油炒めのこと。 母から子へと代々受け継がれた家庭の味となって、長崎っ子に親しまれている郷土料理となりました。  そういえば、「浦上そぼろ」は、長崎の学校給食の献立にも登場します。 小学生のころ、「どうして"浦上そぼろ"って言うんだろう?」と、疑問に思いながら給食を食べていた記憶がよみがえりました。 「懐かしい!」という声も聞こえてきそうですね。  さて、浦上そぼろは豚肉を使いますが、日本ではいつ頃からお肉を食べる習慣があったのでしょう?  豚肉好きの人物として、江戸幕府の最後の将軍・徳川慶喜は有名です。 ニックネームは「豚一さま」。 すこぶる豚肉が大好きだったことから呼ばれたあだ名ですが、慶喜が豚肉を食べていたのは江戸末期。 一般的に広く庶民の口に入るようなったのは明治維新後の19世紀後半のことだそうです。  もともと豚肉は唐船によって日本に持ち込まれ、豚の飼育が始まったのは室町時代からです。 日本人は全くお肉を食べなかったのではなく、一般庶民にはなかなか口にするのは難しく、お肉を食べるという習慣が根付きませんでした。  しかし、南蛮船がやってきた16世紀頃から、異文化到来の影響で日本人の食の習慣も少しずつ変化していきます。 当時の手紙や日記に記されたお肉の記述を、ちょっとピックアップしてみましょう。  平戸では、1559年ポルトガル人の司祭バルタザール・ガーゴの手紙の中に、信者から豚肉(たぶん塩漬けの豚)を貰ったという1文があります。 また13年後の1612年、イギリス商館ジョン・セーリスの日記には、平戸で豚の飼育と食用肉の販売がおこなわれていた様子が書かれています。  長崎では、ポルトガル船が港に停泊していた1600年代の初め、教会が建ち並ぶ長崎の町にはパンを焼く人、牛肉をさばく人、中国から持ち込まれた野菜や鶏など、海外の食文化が集まり、活気に満ち溢れていました。 きっと南蛮料理の美味しそうなにおいが漂っていたことでしょう。 さらに時は江戸へと移り、長崎代官 高木氏の頃、津山藩(現在の岡山)の蘭学者の箕作阮甫(みつくり げんぽ 1799-1863)が嘉永6年(1853)に長崎を訪れました。 その時の日記に、「さすが長崎の豚肉は江戸の豚肉とは大いに異なり美味にて柔らかなり。 …中国・オランダ人のために豚を土地の人々が長年飼育につとめたからであろう。」と書かれています。 この時、阮甫は「ソボロ烹を食べたい」とも話したそうです。  地域の歴史を背景に持つ郷土料理。 さてお味の方はどうでしょうか!? さっそくチャレンジしてみましょう! 材料:2人前 豚肉 (薄切りのバラ肉) 20g 揚げかまぼこ 1/7枚 (10g) 糸こんにゃく 1/4袋 (40g) もやし 1/4袋 (50g) ニンジン 1/6本 (20g) ゴボウ 1/10本 (30g) 油 少々 (0.6g) 濃口しょうゆ 小さじ2/3 (4g) 砂糖 小さじ1 (2.8g) みりん 少々 (1g) 酒 少々 塩 少々 白ゴマ 少々 作り方 (1)料理の下ごしらえをしましょう。 ニンジンは長さ約3〜4僂寮蘋擇蝓F撻丱蘰・揚げかまぼこも千切りにします。 食べやすい長さに切った糸こんにゃく・ささがきにしたゴボウ・もやしは、熱湯にひとつまみの塩を加えて軽く茹で、ザルにあげて水気を切ります。 (2)材料を炒めましょう。  鍋に油を入れて熱します。 豚バラ肉を先に入れ、ゴボウ・ニンジン・糸こんにゃく・揚げかまぼこ・もやしと、煮えにくい順番に炒めます。 (3)味付けをしましょう。 濃口しょうゆ・砂糖・酒・みりんを加えてさっと煮ます。 お好みで味をととのえましょう。 (4)盛り付けて完成です! 器に盛り付けたら、白ゴマをパラパラと散らしてできあがり。 もやしとゴボウの香りがたまりません! さぁ、いただきます! ★調理のポイント★ もやしはシャキシャキっとした食感を残しましょう。 もやしは、中世のころ、中国から長崎へとやってきました。 もやしは長崎料理に欠かせない野菜です。たっぷり使いましょう。 下ごしらえ(1)で一度茹でると野菜のアクがとれて、炒めるときに余分な水分がでません。 また、調理の最後に火を止めてごま油を加えてもおいしいですよ。 おためしあれ! 浦上そぼろは、やっぱり西洋と東洋の文化がミックスされた長崎のオリジナル料理なんですね。 海外との貿易で砂糖が輸入されていた歴史の背景から、長崎の味はやや甘め。 惜しみなく砂糖を使ったふくよかな味わいが、長崎のもてなしの料理です。 浦上村では人びとが集まるときに、この浦上そぼろをつくっていたそうで、そのおいしさが話題にのぼったようです。  伝えられてきた郷土の味と手料理のもてなしの気持ちを大切にしたいなと思いながら、できあがった「浦上そぼろ」をみんなで美味しくいただきました。 ごちそうさま!! 参考文献 長崎県教育庁体育保健科「長崎の郷土料理(学校給食レシピ)HP 長崎県栄養士会 「長崎の西洋料理-洋食のあけぼの-」 著者/越中哲也 発行/第一法規出版 1982年 「長崎学・續々食の文化史-食文化をたずねて-」著者/越中哲也 発行/長崎純心大学博物館 2002年 「長崎市史 風俗編」 著者/古賀十二郎 「徳川慶喜家の食卓」 著者/徳川慶朝 発行/文藝春秋 2005年