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教会の建築に使われた「ミナ」の貝殻

〜教会に見る長崎らしさ。ミナが石灰に変身!?〜

 長崎の教会を訪れると、まわりの自然に溶け込んだ外観の美しさや、素朴に施された装飾のかわいらしさに心惹かれます。さらに、この目の前にある教会の歴史的な背景にも目を向けると、もっと心に響く感動を味わうことができます。迫害・潜伏といったキリシタンの激動の歴史を乗り越えた信徒の皆さんが、貧しいなかにも奉仕して、信仰の喜びのうちに建てた教会・・・、その数だけ物語があるのです。

 今回は、海の岩場でよく見かける貝「ミナ」にまつわる教会建築のエピソードをご紹介します。長崎の身近にある、自然の恵みを活かして建てられた教会がありました。教会のレンガの隙間や白い壁をじーっと観察してみてください。

ミナ

 ミナ」とは長崎での呼び名で、磯に生息する巻貝のこと。磯遊びに出かけると、小さいものから大きくて立派なものまで、びっしりと岩にへばりついています。岩場を歩くと、人影に気付いたミナたちはカチャカチャと音をたてながら海中へと落ちて身を隠します。大げさな音のわりには、まだまだ岩にたくさんへばりついているので、かんたんに手で採れます。家路に着いて大きめの鍋で茹で、湯気がたつ熱いうちにいただきます。茹でると身が貝殻の奥に縮むので、縫い針でかき出して食べますが、これがビールにつまみにピッタリなんです。

田平教会
田平天主堂

 さて、このミナの貝殻が“教会の建築資材として使われた石灰”に変身していたとは驚きです。食卓にのぼった黒茶色のミナを手に取りながら、どうやって真っ白な石灰になるのだろう?とわいてくる疑問。なんと、ミナの貝殻を集めて素焼きにし、粉になるまで砕いて真っ白な石灰を作ったのだそうです。

水ノ浦教会
水ノ浦教会

 今回は、ミナにスポットをあてましたが、当時貧しい中で建てられた教会には、それぞれに建築の材料として長崎の自然が活かされています。教会の建つロケーションだけでなく、建築にも見ることができる長崎らしさを発見してください。そこには、きっと信者の皆さんのご苦労を思い起こさせてくれるエピソードがあり、より深い感動の旅に誘ってくれることでしょう。

*磯遊びは、安全な場所で楽しんでね。

参考資料
  • 『旅する長崎学5 キリシタン文化后戞ヾ覯茵芯杭蠍 制作/長崎文献社
  • 写真下:水ノ浦教会は『旅する長崎学5 キリシタン文化后p.37より転用


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        • 田平天主堂
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