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長崎巡礼センターを活用しよう!

教会の魅力を語る人びと その3

 長崎の持つ歴史的な遺産である教会群をどのようにPRしていけばいいのか…。様々な意見がとびかい3年。着々と準備が進み、「長崎巡礼センター」開設という一本の明るい光が差し込みました。2007年5月に長崎カトリックセンターの1階にオープンした「長崎巡礼センター」が担う長崎流の新しい情報発信の役割とは何なのでしょうか。インタープリター(=翻訳者)として、特異な長崎の歴史を伝えたいと話す入口仁志さんにインタビューしました。

「長崎巡礼センター」の開設
<教会群を巡礼するための総合窓口 + ユースホステル>

入口仁志さん

 「長崎巡礼センター」の構想は、実は3年前からプランとしてありました。2年前の7月、「長崎カトリックセンターの宿泊施設部門をユースホステルと併設して、一般向けに開放できる仕組みにしませんか。」という提案をカトリック長崎大司教区にしました。ユースホステルという機能は、世界中に向けた情報発信が可能なので、より内容の濃い発信ができるのです。また、カトリックセンターは、どなたでも宿泊利用できることをもっと強く発信したかったのです。
長崎の歴史を語ろうとした場合、どうしてもカトリックの話に触れないと歴史は喋れません。そこでユースホステルでは、訪れてくれる若者たちに、当然、長崎の歴史とともにカトリックの歴史を伝えています。長崎カトリックセンターでは6階をユースホステルのフロアにして、夜8時から9時まで、宿泊者を対象としたミーティングをして情報を発信してきたのです。ですから長崎カトリックセンターでは、すでに2年前にはユースホステルをカトリックの発信基地とする機能をスタートさせてきたという経緯がベースとしてあるのです。
昨年の夏に、長崎教区の大司教さまと県の観光推進本部のトップとの間で、お互いにトラブルが発生しないように、観光客が長崎を気持ちよく訪れるためにはどうしたらいいかという会議がもたれました。その後、関係者が集まり、月1回のペースで交渉が続けられました。その中で、<ながさき巡礼>という言葉で取り組むこととなりました。今年の3月には、カトリック側では県内の教会をはじめとする巡礼スポットを示すこと、どう捉えるのか具体的に言葉で表現すること、巡礼の主だったコースを示すこと、また、カトリックのなかにも巡礼センターを立ち上げましょうということが決まりました。ですから、国内外のカトリック全体の巡礼センターとしても同時に発信していきたいので、表記は<長崎巡礼センター>とし、その対応を始めました。」

世の中が求めているもの

 「数年前、まだ世界遺産候補の話がまだ表に出ていない頃、もうすでに世界の社会全体がカトリック開放にベクトルが向きはじめていたのです。例えば、若い人はクルス(十字架)のネックレスをするのはザラでしょ? でもその若者たちは別に信徒でもないですよね。で、今の若い人たちが何に頼るかといった問題もそうです。みんな社会的不安系といった将来的な不安を抱えているじゃないですか。逆の言い方をすると、ものすごくいいタイミングで教会に目が向きはじめているのではないかと思ったのです。」

ガイドではなくインタープリターとして仕事をする
入口仁志さん

 「長崎の歴史は、キリスト教なしには語れない…。実は別の仕事としてやっていたのが、長崎教区が主催する巡礼のお手伝いです。そのなかで僕自身、3年間、あらゆる教会堂や巡礼地を巡り、現地を訪れました。例えば、みなさんは五島にいくと有名な教会堂に行きますね。有名な教会堂だろうが小さな教会堂だろうが、そこの信徒さんにとっては大切な御堂であり、大切な歴史的背景を持っています。だからそれは、そこに行かないとわからない。それも自分自身が感じないと人々に説明できない。説明するには、自分が感じることって必要なんですよね。僕は<ガイド>という言葉を使うのはあまり好きではなくて、<インタープリター=翻訳者>という言葉を使います。何を翻訳するかというと、カトリックの人たちの生き様がどういうものなのかということ、長崎を訪れる人たちに、私の感じたことを伝える仕事をずっとやってきたんですよ。信徒ではないけど(笑)。」

観光の落とし穴

 「教会堂を訪れる観光客が増えるなかで、実はトラブルも多く発生しました。聖水盤をタバコの灰皿にするという、あってはならない行為。タバコを吸いながら教会堂のなかに入ること自体が無茶苦茶なことですよ。また、観光セクションがよくやる間違いなんですが、トイレ休憩を教会堂にあててしまうのです。「おい待てよ!」って言いたくなります。なぜなら、教会堂のトイレは信徒のためのもので、通常1〜2人位しか使えないようになっている。このことを知らない人が旅行プランを企画しているんです。そして、お祈りしている信徒さんがひとりでもいたら、教会堂の中には普通入れませんよね。それどころか内陣といわれる祭壇に入って荒らす人、中には教会堂の備品を盗む人など。観光のニーズが高まるにつれて、これらのトラブルも発生しています。この現状を今すぐ改善しなければいけません。せっかく教会に目が向いてるのに教会側がそれに対応しないというのは、ある意味もったいない。みんなの目が教会に向いているのであれば、その人たちと対話をすることは必要だということなのでしょう。」

巡礼とは?

 「巡礼とは、場所をまわってみること。それは、人間ひとりひとりの内的な作業なので形式的なスタイルはありません。ですから、100人いれば100通りの巡礼があります。僕は信徒ではないけれど、巡礼地をまわると、いろんな事を感じます。そのことをできるだけ素直に伝えることを心がけてご案内しています。巡礼に参加しているみなさんも、いろいろな事を感じるはずです。その思いを大切にして欲しいと思います。
巡礼者をご案内していると、僕にとってむずかしい質問がたくさん出てきます。
「ミサとは?」
「何をお祈りしているのですか?」
「五島に住んでいる私たちとバチカンの信徒さんとは、神様との距離って違うの?」
などなど。
「帰ってから近くの教会を訪ねて神父様とお話ししてみてください」 とすすめることにしています。」

「長崎巡礼センター」としての仕事
入口仁志さん

 「長崎巡礼センター」は、今、立ち上がったばかり。まだ、実務は伴っていなくて、まずはパンフレットの取り寄せから。少なくとも観光パンフレットは、このセンターに来れば全部揃っているように環境を整えています。 また、巡礼 地をめぐるコースを作りましょうということで、マップが載った旅のガイドブックを企画し、今その作業が進行しているところです。
僕の思う巡礼センターの仕事とは、神父さまは指導していただく人なのであって、自分はあくまでインタープリターの仕事だと思っているんですよ。こういう生き様があるんだよっていうことが伝わればいいのだと。そう、<伝える>という仕事。五島巡礼では、どこに行かなければいけないとか、贅沢なものを食べてはいけないとか、そういうことじゃありません。五島でしか味わえない旬の新鮮な海の幸がいっぱいありますからね。現地を体感してもらえれば。僕は体験上、巡礼の一回ぐらいはバーベキューをするプログラムは楽しいなと思います。旅に参加した人たちのその楽しさが、僕たちにとって巡礼のごちそうなのかなと思います。巡礼にカタチはない。あくまでも巡礼に参加した人たち同士、行った先々でのコミュニケーションが大切です。信仰を持っている人の良し悪しや強弱ではなく、その中で信仰を持っている人たちの強さや生き様、すごさが伝わればいいなと思います。たとえば、浦上天主堂に連れて行くと原爆のイメージが強いですが、信仰の礎が建っています。浦上天主堂が建つ以前に何があったのだろうか?という疑問から始まり、秘密教会の跡は約140年前の弾圧、ベアトス様の墓は約400年前の弾圧、大橋の川を渡ったらサンタ・クララ教会の跡がある。浦上天主堂周辺だけで約2時間の案内ができます。ユースホステルの1時間のミーティングに参加された方は、みなさんホントにビックリされますよ。
長崎の街は宝の山なんです。スゴイですよ。飽きないくらい上質の旅、巡礼のスポットがある!」

DATA

入口仁志 Hitoshi Iriguchi

1946年生まれ。長崎県長崎市の出身。カトリックセンターのマネージャーとして、「長崎巡礼」の業務を担当。



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        場所
        • 浦上天主堂
        • 黒島天主堂
        • サンタ・クララ教会の跡
        • 長崎巡礼センター
        • ベアトス様の墓
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