たびながコラム

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なぜ、坂本龍馬は愛されているのか

■ 国民的人気を誇る坂本龍馬

風頭公園の坂本龍馬像
風頭公園の坂本龍馬像

大河ドラマ「龍馬伝」の放送が始まり、長崎の龍馬ゆかりの地にも、さらに多くの観光客が訪れるようになりました。
龍馬の人気は、いろいろなアンケート結果からも見てとれます。たとえば、2009年(平成21)12月、“仕事や家庭の悩みを相談したい歴史上の人物”の第1位に選ばれたのが、坂本龍馬です(企業の広報活動を支援するNPO「後方駆け込み寺」が全国20歳以上の男女を対象に実施したもの)。このほかにも、“会ってみたい人”や“理想の上司”、“恋愛相談をしたい人”などの歴史上の人物として、坂本龍馬はいずれも上位に入るほどの人気を誇っています。
龍馬については、「個性的で豪快な人物」「破天荒な人物」という印象が強く、「薩長同盟」や「大政奉還」に尽力し、困難な状況においても信念を持って解決策を見出してくれる人物という評価も少なくありません。

坂本龍馬は、なぜこんなに人気があるのでしょうか?

 

■ 長崎さるく英雄(ヒーロー)編

風頭公園でのガイドの様子
風頭公園でのガイドの様子

かつて西洋に開かれた唯一の窓口として、科学や医学など先進技術が伝わった長崎では、まちあるき観光のスタイルとして「長崎さるく」が展開されています。これは、長崎の街なかをテーマに沿ってぶらぶら歩きながら、長崎の魅力を体感してもらうもの。地元ボランティア「長崎さるくガイド」の方々が、より深く歴史・文化を理解できるようにわかりやすくガイドしてくれるコースもあります。

幕末の長崎をテーマとした「長崎さるく英雄(ヒーロー)編」が好評で、県内外から多くの皆さんが参加しており、なかでも龍馬ゆかりの地である「長崎市亀山社中記念館」や「亀山社中資料展示場」、「風頭公園」の一帯は大人気だそうです。
長崎市亀山社中記念館内で解説をされている長崎さるくガイドの方にお話をきくことができました。

 

■ 龍馬の人気のヒミツ

龍馬ファンの方々は、いったい坂本龍馬のどんなところに惹かれ、あこがれているのでしょうか?・・・
「やはり、龍馬の性格ですね。小さいことにこだわらず、型破りな考え方と行動力にあこがれる人が多いと思います。」

風頭公園の坂本龍馬像の左足
風頭公園の坂本龍馬像の左足

身分にとらわれず、武士でありながら、商人の魂も持っていた。そのうえ名誉や地位を望まず、大政奉還後も新しい政府へ入ることすらしませんでした。そんなところに魅力を感じ、龍馬を慕って長崎を訪れる龍馬ファンは多いといいます。

風頭公園の坂本龍馬像は、左足が銅像の土台からはみ出していますが、これは自由で型破りな龍馬の性格を表現しているそうで、記念撮影の人気スポットになっています。

 

 

「しかし、龍馬の魅力はそれだけではありません。倒幕運動を開始してわずか7年ほどの短い期間に、通常では築くことができない相当な人物たちとの人間関係を築きあげたことも魅力のひとつです。」
龍馬は、勝海舟の話に感銘を受けて師と仰ぎ、そして幕臣の大久保一翁(おおくぼいちおう)、福井藩主で幕末の四賢侯といわれる松平春嶽(まつだいらしゅんがく)、さらに春嶽の政治顧問・横井小楠(よこいしょうなん)など、一藩士では出会えない大人物と接します。また、長州藩の桂小五郎(のちの木戸孝允)や高杉晋作、久坂玄瑞(くさかげんずい)、伊藤俊輔(のちの伊藤博文)、薩摩藩の西郷隆盛や小松帯刀(たてわき)、仇敵であった土佐藩・後藤象二郎や三菱の創始者となる岩崎弥太郎など、近代化に向かう日本を動かしていく多くの人物たちとの人脈をわずか7年間で築き上げているのです。
1865年(慶応元)、幕府機関である神戸海軍操練所が解散したあと、龍馬は薩摩藩などの資金援助を受け、長崎で日本初の商社といわれる「亀山社中」を結成しました。この社中は、のちに土佐藩の「海援隊」となり、龍馬が隊長をつとめます。

龍馬は、長崎でも同様に多彩な人間関係を築いています。熱心に龍馬を支援した豪商・小曽根(こぞね)家や女性起業家の茶商・大浦慶(おおうらけい)、武器や艦船を扱った商人・トーマス・グラバーなど、亀山社中、海援隊が活動するために必要な人脈をしっかり持っています。
これらの人脈については、龍馬に一流の人物を見抜く力があったからこそ、築くことができたといわれています。
確かに龍馬に関するいろいろな資料や本を読むと、彼が出会った人々の考えを真剣に聞き、受け止め、意見を交わし、「運命的な出会い」にしていってしまうような不思議な力を持っていたことが伺えます。龍馬は、これらの人々との出会いをとおして、大きく成長を遂げていきました。

幕末の人でありながら、現代にも通用する考え方と行動力を持っていたことも、龍馬の大きな魅力ではないでしょうか。意見がぶつかっても、前向きに捉え、日本を変える力へと導くことができたリーダーシップのある龍馬。小さな視野におさまらず、広く世界へと羽ばたく夢を抱いていた龍馬。好奇心旺盛で新しいものを取り入れるミーハーな龍馬。争いを避け、日本を列強国から守り強くするために奔走したカッコイイ龍馬。筆まめで、茶目っ気のあるカワイイ龍馬。さて、みなさんの龍馬像はどんな感じですか?

現在、長崎歴史文化博物館において、「長崎奉行所・龍馬伝館」が開催されています。龍馬を支えた人々の紹介もパネルで展示されています。龍馬がどんな人々と出会い、どういう成長を遂げていったのか、人間・龍馬の魅力にもぜひ注目してみてください。

長崎歴史文化博物館   風頭公園から見る長崎港
長崎歴史文化博物館
「長崎奉行所・龍馬伝館」は平成22年1月9日(土)〜平成23年1月10日(月)開催。ドラマの進行にあわせて、5月と9月に一部の展示内容が変わります。詳しくはこちらをご覧ください。
  「風頭公園」から見る長崎港の展望は観光客にも大人気です。徒歩で5分程度下ったところにある「長崎市亀山社中記念館」は年中無休。「亀山社中資料展示場」は平成22年12月28日まで無休です。詳しくはこちらをご覧ください。

取材協力

長崎市亀山社中記念館

参考資料

・『長崎旅本 慶応幕末「旅する長崎学講座」公式テキスト』(長崎県 文化振興課)

・「文藝春秋くりま『坂本龍馬がゆく』1月号」

 


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