たびながコラム

ホーム   >  たびながコラム  >   自然・風土

弥生時代へタイムスリップ

 ただ見るだけの博物館ではなく、実際に触れながら楽しく歴史を学ぶことができる「壱岐市立一支国(いきこく)博物館」が2010年(平成22)3月14日にオープンしました。“体感する”博物館は、発見と感動が満載の“ワクワク”がいっぱいです!

キッズこうこがく研究所 キッズこうこがく研究所 日本初の手法 オープン収蔵庫
キッズこうこがく研究所 日本初の手法
オープン収蔵庫
観察路 リアルな映像・照明・音響のバーチャル航海 一部の土器には触れることができます
観察路 リアルな映像・照明・音響のバーチャル航海 一部の土器には触れることができます

 展示された土器の中には直接触ってみてよいものがあります。また、原寸大に復元された古代船に乗って櫓を漕ぐ体験も楽しそう!「キッズこうこがく研究所」では、顕微鏡観察、発掘体験、バラバラに分かれた土器を組み合わせるパズル遊びなどができます。

 さらに、長崎県埋蔵文化財センターが一体的に併設されているのも特徴です。ガラス張りの壁を通して、県内で発掘された大量の土器や出土品を閲覧できる「オープン収蔵庫」も圧巻ですし、出土した遺物の整理やその組み立て作業を、「観察路」から見学することもできます。これは日本初の手法で、より歴史や考古学を身近なものとして感じられるようになっています。定期的にテーマを設定した展示をおこない、変化に富んだ空間にしていくそうですので、何度訪れても楽しめるコーナーのひとつです。

 一支国博物館は、展示だけでなく、情報発信の場としての役割も担っています。3階には、舞台とスクリーンを完備した180席の「多目的ホール」があり、シンポジウムなどを開催できます。このほか、各種講座やミニ展覧会を実施できる「講座室」や、さまざまな研修やイベントに利用できる「多目的交流室」、古代食や古代技術体験といったイベントに活用できる「体験交流室」も整備されています。さらに、4万冊の考古学報告書や歴史書が検索・閲覧できる「図書閲覧室」もあります。

多目的ホール 多目的交流室 多目的交流室
多目的ホール 多目的交流室
図書所蔵庫 4万冊の貴重な歴史書 図書閲覧室 体験交流室
図書所蔵庫
4万冊の貴重な歴史書
図書閲覧室 体験交流室

 すでに「講座室」や「体験交流室」では、講師がテーマに沿って歴史・文化の講義を行う「壱岐学講座」や、壱岐の伝統工芸・昔ながらのあそびを体験する「しまごと大学体験」がスタートしています。貴重な出土品や資料はどのように保存されているのだろう?→館内の裏側を探険できるバックヤードツアーや、精密分析機器を使ってどんなことを調べるのだろう?→遺物研究を体験するイベントなどが予定されています。

 (※イベントへの参加は、事前の申し込みが必要です。詳しくは、壱岐市立一支国博物館の公式サイトをご覧ください)

 “博物館”って聞いて堅苦しいイメージを持っている人は、ちょっと印象が変わるかもしれません。年齢や性別に関係なく、楽しみながら学ぶことができると思います。

“しまごと博物館”壱岐島


開館記念式典  テープカットの様子

「壱岐はただの島ではありませんでした」

 

 これは、2010年(平成22)3月14日、壱岐市立一支国博物館の開館記念式典で、須藤正人館長が挨拶の冒頭でおっしゃった言葉です。


原の辻一支国王都復元公園

 壱岐島は、古くから一島で一国とされた国でした。

 約2100年前に壱岐島に存在した「一支国」は、大陸と日本との架け橋として大きな役割を果たしました。博物館が立つ丘のふもとには、当時の一支国王都の遺跡が広がっています。その一画に「原の辻一支国王都復元公園」が復元整備されており、弥生時代の風景を体感することができます。

 壱岐は、『古事記』の国生み神話において、イザナギノミコトとイザナミノミコトが5番目に生んだ島として登場します。あちこちに動いてまわる“生き島”だったので、動かないように繋ぎ止めた8本の柱岩の名残が、現在は観光スポットになっている「猿岩」や「左京鼻」などといわれ、今も息づいています。

 また、壱岐は長崎県全体の面積のうち、わずか3%程度の小さな島にもかかわらず、古墳の数は県全体の60%にあたる260基あまりが確認されています。“神々が棲む島”といわれる壱岐には、神社の数も大変多く、なんと約150社が存在します。島の神職たちが雅楽を奏で舞を奉納する「壱岐神楽」は、神聖な島のイメージを印象づけてくれます。

 壱岐は、遣唐使や遣新羅使が大陸へ渡る際、中継地として立ち寄る位置にあり、当時の様々な歴史や言い伝えも残されています。中世には蒙古軍の侵攻を受け、倭寇の拠点が置かれ、江戸時代には朝鮮通信使のルートになるなど、ほかの地域にはみられない独特の歴史と文化を秘めた島です。

 “食”においては、ケンサキイカやウニなどの豊富な海産物で知られていますが、肉牛の高品質ブランド「長崎和牛」の壱岐の牛、世界貿易機関(WTO)の産地指定を受けて国際的に認められた麦焼酎「壱岐焼酎」など、自然の恵みや歴史の営みに壱岐島の人々の伝統とこだわりが加わり、島の魅力をより一層引き立てています。壱岐に育った牛は、かつて宮中や公家の牛車を引く駿牛として京都で珍重された「筑紫牛(つくしぎゅう)」であったし、焼酎は中国から伝わった蒸留製法を取り入れて、島独自の製法を生み出したことに始まるという説があり、食文化の背景にも歴史が色濃くあらわれています。

猿岩 壱岐牛 笹塚古墳 住吉神社
猿岩 壱岐牛 笹塚古墳 住吉神社
うにめし 男岳神社 筒城七浜 はらほげ地蔵
うにめし 男岳神社 筒城七浜 はらほげ地蔵
弘安の役跡 湯ノ本夕景 岳ノ辻からの展望 イルカパーク
弘安の役跡 湯ノ本夕景 岳ノ辻からの展望 イルカパーク

 このように、島全体が歴史を物語る壱岐は、まさに“しまごと博物館”。新しく開館した「一支国博物館」を拠点として、ぐるりと一周すれば、まるごと壱岐を体感できます。博物館で壱岐の全体像をチェックして情報収集した後に、島の山海の恵みを味わい、地域に根づいた歴史・文化に触れ、自然の風景に癒される・・・こんな “しまごと博物館”を満喫する旅に出てみませんか!



うんちくバンク

人物
  • 伊藤博文
  • 桂小五郎
  • 久坂玄瑞
  • グラバー
  • 後藤象二郎 
  • 高杉晋作
歴史事件
    資料
      場所
      • 風頭公園
      • 長崎歴史文化博物館
      その他
      • 海援隊

      アンケート

      コメント