たびながコラム

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自然と歴史を堪能するシーカヤックエコツアー

対馬シーカヤックエコツアーとは

 対馬では、カヤックで海に乗り出し、無人島でくつろぎ、浅茅湾の自然を満喫するシーカヤックツアーがおこなわれています。

 対馬の中央に広がるリアス式海岸「浅茅湾」は、古来より日本と大陸を行き交う船人に安らぎを与えてきた穏やかな海です。現在では、この浅茅湾をシーカヤックで渡り、上陸して金田城跡へトレッキングするという大自然と歴史の両方を体感できるエコツーリングがおこなわれており、注目を集めています。


シーカヤック艇庫((有)対馬エコツアー)

 まずはシーカヤック艇庫にて、シーカヤックツアーのガイドやレスキューに関する説明を受けます。そして準備運動やパドリング練習を行い、浅茅湾へと漕ぎ出します。注意事項を確認して、いよいよスタート!

 果てしなく広がる青空の下、深い緑に囲まれて、海抜0メートルの散歩です。

 海にはいろいろな生物が活動しています。群れ泳いでいる魚たちやサンゴの群生などに出会いながら、海から見る対馬の風景を存分に楽しみましょう。

 浅茅湾には点々と無人島が浮かんでいます。シーカヤックでしばらく進むと、人工的な建造物は見えなくなり、対馬の大自然に囲まれます。

 『万葉集』には、風待ちのために停泊中の対馬で、遣新羅使が詠んだ歌があります。たとえば、

 「百船の 泊つる対馬の浅茅山 時雨の天に 黄葉ひにけり」

多くの船が停泊している対馬の浅茅山が、時雨の雨のせいで紅葉した様子を詠んでいます。また、危険な航海を前にして、月を見上げながら故郷に残してきた妻への慕情を詠んだ、

「天ざかる 鄙にも月は 照れれども 妹そ遠くは 別れ来にける」

という歌もあります。当時、彼らたちもこの風景を目にしたのかと思うと、とても感慨深いものがあります。

 途中、無人島・明礬島(みょうばんじま)に上陸し、地場産品を使用した昼食をとりながら一休みします。


鋸割岩

 その後、浅茅湾の断崖絶壁・鋸割岩(のこわきいわ)が現れます。鋸割岩は浅茅湾の名所のひとつで、海面から50メートル近く突きだした石英斑岩(せきえいはんがん)の巨石です。近寄って鋸割岩を見上げると、その自然の迫力に圧倒されます。運がよければ、上空に舞うミサゴやハヤブサも見ることができます。

 そして浅茅湾の南に高くそびえる城山・金田城跡が見えてきます。金田城を守る大吉戸(おおきど)神社のそばから上陸します。

 徒歩で城壁“一ノ城戸”に辿り着きます。下半分は当時自然石を積んだもので、上半分は切石が積まれていますので、後世に修復したものといわれています。また三ノ城戸と同様に、大雨の際に崩壊しないよう水門が設けられています。

 築かれてから1,300年以上もの時を刻んできた城壁を前にすると、想像を絶する石塁に歴史の壮大さを感じ、みんな感動するそうです。今日まで守られてきた豊かな自然と、太古の歴史が共存して息づいたこの空間は、ぜひとも次代に引き継ぎたいものです。

 

 対馬シーカヤックツアーは2DAYコースもあり、旧日本軍施設跡や調査・再整備が進んでいる「二ノ城戸」、「防人住居跡」、「三ノ城戸」をトレッキングすることができます。このトレッキングでは、新緑を引き立てるウラジロや他の植物に自ら引っかけて成長していくカギカズラなど面白い植物に出会うこともできます。

   

 シーカヤックツアーの醍醐味はなんといっても、自然との一体感とその自然の中に息づいている歴史を体感できることです。“対馬にしかないもの”がここにあります。参加者からは、自然の中で金田城などに見る壮大な歴史に触れ、自分を見つめ直すことができたという声もあるそうです。

 無人島やその周辺にはエダサンゴやハクウンキスゲなど、対馬でしか見ることの出来ない植物が自生しています。貴重な体験ができるシーカヤックは、大人だけでなく、子どもにも大好評。季節ごとに自然を満喫するシーカヤックコースがおこなわれることもあります。山に咲き誇るゲンカイツツジを眺めながら浅茅湾を進むコースや、白い花を咲かせるヒトツバタゴを海から堪能するコースなど、まさに対馬ならではの自然を満喫できる内容です。

 

 豊かな自然と歴史を味わいながら、海をゆく・・・。そんな思い出深い旅をしてみてはいかがでしょうか。



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