たびながコラム

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ながさき音楽祭2007「しまの教会コンサート」

〜上五島の皆さんへ感謝を込めて〜

 "長崎からはじまる新しい音楽祭「ながさき音楽祭2007」"が、県内各地をステージに繰り広げられているこの秋(9/4〜10/28)。 「育てる」「創る」「楽しむ」「賑わう」をテーマに、日本のトップアーティストや地元長崎の演奏家たちが贈る"音楽の祭典"の2ヶ月間です。 期間中、教会や酒蔵、美術館といった長崎らしいロケーションでのコンサートをはじめ、ヤングマーチングパレードやセミナー・講座など、各地で音楽が奏でられます。

 9月15日(土)と16日(日)には、新上五島町にある美しい教会を会場とした「しまの教会コンサート」が開催され、神聖な空間に若いアーティストたちの澄んだ音色が響きました。

 今回は、とっても素敵で幸せな時間を過ごした「しまの教会コンサート」の模様を、上五島の皆さんへの感謝の気持ちとともに、お届けします。

 台風11号の接近で天候が心配されるなか、「しまの教会コンサート」のメンバー6人は、新上五島を訪れました。

 ピアノの江川敦子さん、ソプラノの松下知子さん、フルートの村中彩也花さん、クラリネットの小田智子さんの4人と、県庁のスタッフ2人。 演奏者の4人は、初めての上五島とあって、ちょっとワクワクドキドキです。

アウトリーチ編〔第1日目(9月15日(土))午前〕

 第1日目の午前中は、鯨賓館のホールを会場に、小中学生のみなさん約30人と一緒に音楽を楽しみました。

 4人のお姉さんが、音楽祭のお揃いのポロシャツで登場。 それぞれ、楽器の特徴や音が出るしくみなどをわかりやすく説明し、曲を演奏します。

 フルートの村中さんは「みんなにペットボトルを持ってきてね」とお願いしていました。 何をするのかな? 実は、ペットボトルを使って、音が鳴るように息を吹き込む体験をしてもらいました。

 クラリネットの小田さんは、楽器をバラバラに収納したケースから部品をひとつずつ取り出して、組み立てながら説明。 リードが信じられないくらいの早さで振動して音を出しているという話にみんなビックリでした。

 ピアノは誰でも見たことがある楽器ですが、意外と知らなかった!江川さんは3つのペダルがどんな役割をしているか、子どもたちをピアノの周りに集めて、どこが動いているのかじっくり観察してもらいながら紹介してくれました。

 最後に松下さんが登場。あれ、楽器を持っていない!? そう、声です。 コーラス部の小学生のみなさんは、どうすればしっかり声を出して歌うことができるのか興味津々。 頭のてっぺんから出ているようなきれいな声と声量に、みんな聞き入っていました。

 最後は、みんなで「千の風にのって」を大合唱。 指揮者として初デビューの県スタッフE氏も大はりきりでした。

中ノ浦教会コンサート編〔第1日目(9月15日(土))夜〕

 第1日目の夜は中ノ浦教会でのコンサート。 午後2時には教会に到着。 入り江の水に姿を映す中ノ浦教会のロケーションに感動しながら教会の中へ。 赤い花のデザインが可愛らしく、神聖な中にもホッとさせてくれる優しい感じの教会です。 しばしその雰囲気を味わったあと、早速リハーサルを開始。 台風接近のせいか、異常なまでの蒸し暑さの中で、4人の演奏家たちは汗だくになりながらも、聖堂の広さや天井の高さ、床のじゅうたんなどに微妙に影響される音の響きを確認しつつ、本番までの時間を惜しんで練習です。

 夕方6時30分開演。午前中のアウトリーチに参加していた子どもたちも来てくれています。 知っている顔があるのは嬉しいですね。 第一部は、フルート、クラリネット、声楽、ピアノと、それぞれの音色をソロでお聴きいただき、第二部ではアンサンブルを楽しんでいただきました。 クラシックということで眠たくなるかなと思った方もいたかもしれませんが、どこかで聴いたことのある曲がたくさんあって、リラックスした雰囲気のなかで聴いていただけたのではないでしょうか。 教会の雰囲気にもぴったりあった曲目で、厳かながらも心地よい空気を創り出していました。

 この日は、実は4人のなかのひとりの誕生日。思い出深い一日となりました。 蒸し暑いなか、最後まで聴いて、あたたかい拍手を送ってくださった皆さん、本当にありがとうございました。

青砂ヶ浦教会コンサート編〔第2日目(9月16日(日))〕

 第2日目は青砂ヶ浦教会でのコンサート。 到着すると、日曜日の朝のごミサがあっていて、窓から聞こえてくる祈りと聖歌に心があらわれます。 昨夜の中ノ浦教会とはまた違った、レンガづくりで荘厳なイメージの外観です。 曇りの天気にもかかわらず、中に入るとステンドグラスがやわらかな光を映しだしていました。

 この教会は、もうすぐ100年を迎える歴史のある建物で、国の重要文化財に指定され、世界遺産候補「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の候補にもなっています。 キリスト教が弾圧された禁教時代、約250年もの長い間、迫害に耐え、県内各地に潜伏していたキリシタンたちは、1865年の大浦天主堂での信徒発見後に次々と信仰を表明し、貧しいなかにも喜びのうちに信仰の証として、手づくりの教会を建てたのです。 こんな劇的な歴史性を背景に、今も信者の皆さんの手によって守られ、祈りの場として息づいている教会のすばらしさに、4人の演奏家たちの緊張も高まります。

 リハーサル中に、帰りを予定していた午後の長崎行き高速艇の欠航が決定。 時間を気にすることなく演奏に集中できて、かえって良かったかも・・・。 ちょっと嬉しい足止めです。 でも、ときおり降る大雨にお客様の出足が心配。 4人の演奏家たちは昼食の時間も惜しんで、ギリギリまで練習を続けていました。 開演30分前、まだリハーサルが続く会場に、お客様が入り始めました。

 お昼1時30分開演。 会場は満席。 聖堂内に、ナマの音と声が、演奏家の息づかいとともに響きわたります。 アヴェマリアに涙している方もいらっしゃいました。 じっと聴き入ってくださる優しい顔も見えました。 最後は、会場の皆さんも一緒になってアメージング・グレイスを大合唱。 みんなの心がひとつになって、そしてみんなの声がハーモニーとなって、なにか不思議な一体感に教会が包まれ、感動のうちにコンサートが終わりました。

 思いがけず、高校生たちから花束を贈られた4人の若き演奏家たちの笑顔は最高に輝いていました。 忘れられない「しまの教会コンサート」となりました。 神父さま、信者のみなさん、そしてあたたかく迎えてくださった上五島の皆さん、本当にありがとうございました。



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        • 青砂ヶ浦天主堂
        • 大浦天主堂
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