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大村ずしを作ろう!

〜長崎の郷土料理(5)  大村編〜

 大村ずしは、戦国時代に大村の土地を守った領主大村純伊と、勝利を喜んだ領民たちが生んだといういわれのある郷土料理です。

 1474年(文明6)、大村家16代当主 大村純伊は、島原半島を治める有馬と激しい合戦を繰りひろげていました。有馬勢の攻防に押された大村純伊は、命からがら唐津の孤島へ落ちのびました。なんとか巻き返しを図ろうと必死の攻防を続ける純伊は、ついに大村領を有馬の手から奪還することができ、再び故郷の地を踏み凱旋帰国したのです。領民たちは、その無事な姿に大喜びしました。しかし、あまりに突然の帰郷だったので、祝い用の食器をすぐに用意することができませんでした。そこで大人数分を短時間で、しかも手軽に食べられる料理として「もろぶた」と呼ばれる長方形の木箱を使った押し寿司を考案しました。ご飯に刺身や野菜を散して上からギュッとサンドした彩り豊かな押し寿司を振舞いました。将兵たちは、脇差しの刀で寿司を切り分けながら食べたといわれています。

 時を経て、祝いのもてなし料理となった大村ずしは、南蛮貿易で手に入るようになった砂糖がふんだんに使われるようになりました。

 今回は、約500年の歴史をもつ郷土の味、大村ずしをご紹介します。

材料
米白身魚卵干し椎茸
はんぺんかんぴょう牛蒡ガリ

○米を炊く

・米 5合  ・酒 大さじ2  ・だし昆布 10cm角

○寿司飯の合わせ酢

・酢 100cc  ・砂糖 50g  ・塩 小さじ1

○白身魚のそぼろ

・白身魚 150g  ・砂糖 大さじ1.5  ・酒 大さじ1  ・塩 小さじ1/6

○そぎ牛蒡の炒めもの

・そぎ牛蒡100 g  ・油 少々  ・だし汁 少々  ・砂糖 大さじ1/2  ・薄口しょうゆ 大さじ1/2

○干し椎茸とかんぴょう

・干し椎茸 20g  ・かんぴょう 15g  ・砂糖 大さじ1  ・酒 大さじ1  ・濃口しょうゆ 大さじ1  ・みりん 大さじ1/2  ・干し椎茸のもどし汁 適量

○はんぺん

・はんぺん 50g  ・砂糖 大さじ1/2  ・酢 大さじ1/2

○錦糸卵

・卵 5個  ・塩 小さじ1/5  ・酒 大さじ1  ・グラニュー糖 大さじ1

○用意するもの

押し寿司用のすし型を準備しましょう。

作り方

(1)寿司飯用のご飯を炊きましょう。

 米を研いで、30分くらい水切りをします。次に炊飯器に米を入れ、昆布と酒を入れて、かために炊きましょう。(米の研ぎ汁は、牛蒡のアク抜きに使いますので捨てずに取っておきましょう。)

(2)寿司飯をつくりましょう。

 ご飯が炊きあがったら、昆布を取り除いて蒸らしましょう。小さな鍋で合わせ酢をひと煮立ちさせて冷まします。

 ご飯が蒸しあがったら、飯台にご飯を移します。合わせ酢を少し残してご飯にまんべんなくかけ、しゃもじで切るように混ぜましょう。

*飯台としゃもじは、あらかじめ水に浸し、酢を含ませた布で拭いて準備しておきましょう。

(3)白身魚のそぼろをつくりましょう。

 白身魚をゆでましょう。火が通ったら、皮や骨、血合いを取り除いて流水で洗い、身を細かくほぐします。

 ほぐした白身を鍋で炒り、砂糖、酒、塩で味つけをします。

*今回は、白身魚に真鯛を使いました。

(4)そぎ牛蒡をつくりましょう。

 そぎ切りにした牛蒡は(1)の米の研ぎ汁であく抜きをしましょう。水洗いをして水気を取って油で炒め、砂糖と薄口しょうゆで味付けします。

(5)干し椎茸とかんぴょうをつくりましょう。

 干し椎茸は水に戻して細かく切ります。かんぴょうは茹でてから刻みます。鍋に干し椎茸とかんぴょうを入れ、干し椎茸のもどし汁、砂糖、酒、濃口しょうゆ、みりんで煮ましょう。

*かんぴょうの準備!

水で軽く流し塩でもみ洗います。約10〜15分ゆで、水で洗って絞ります。

(6)はんぺんに味付けしましょう。

 小さな角型に切って、砂糖と酢をふりかけておきましょう。

(7)錦糸卵をつくりましょう。

 フライパンで薄焼き卵をつくりましょう。冷めてから細く切ります。ここで南蛮貿易がもたらした大村独特の砂糖の使い方! グラニュー糖をまぶします!!

(8)材料を重ねていきます。1段目!

 すし型を準備しましょう。あらかじめ、すし型を手水(酢と水を同量であわせたもの)でぬらしておきましょう。さぁ、材料を順番に重ねていきますよ。

 まず1段目に半分の寿司飯を薄くひろげます。そぎ牛蒡(4)と干し椎茸・かんぴょう(5)を1/3ほどの分量を全体に散します。

(9)材料を重ねていきます。2段目!

 2段目は、再び残りの寿司飯を広げ、そぎ牛蒡、干し椎茸、かんぴょう、はんぺん、白身魚のそぼろ、最後に錦糸卵、の順番で、具材の色の濃いものから先に重ねていきます。残りの合わせ酢をかけて、手のひらで軽く押しましょう。

(10)完成です!

 すしの蓋でキュッと押しましょう。そのまま30分ほど置いたら、5センチ角に切り分けて完成です。

 さぁ、いただきましょう!

★調理のポイント★
  1. 各家庭には、こだわりの具材があるようですよ。刻んだ奈良漬けやタケノコ、かまぼこ、刺身、木の芽など、お好みのトッピングで楽しんでください。
  2. 関東で"はんぺん"と言えば、白くて丸いもの。でも、長崎ではんぺんと言えば、赤と緑の鮮やかな細長いものをいいます。ちゃんぽんや皿うどんに入れたり、長崎の郷土料理にはかかせない材料です。

 海と山に囲まれた城下町で誕生した大村ずしは、自然豊かな地の利を活かして、新鮮な魚と旬の山菜がいっぱい詰まっています。ほんのり甘く、彩り豊かな大村ずしは、お花見やピクニックなど行楽シーズンにぴったりの料理です。ぜひ、お試しください!

 キリシタン時代の大村を紹介した「ながさき歴史散歩」の第9回『キリシタン時代の面影をたどる大村の旅〜日本初のキリシタン大名の大村純忠〜』も、あわせてお楽しみください!

参考文献
  • 長崎県栄養士会
  • 「旅する長崎学6 キリシタン文化 別冊 総集編」
    企画/長崎県 制作/長崎文献社 2007年


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