たびながコラム

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三川内焼

 1598年(慶長3)、平戸領主・松浦鎮信(法印)は、豊臣秀吉の朝鮮出兵から帰国する際に、朝鮮半島から巨関(こせき)ら陶工を平戸に連れ帰ってきました。巨関らは、やがて平戸島北部の中野地区の紙漉(かみすき)に窯を築きました。

 後に針尾(はりお)島で網代(あじろ)陶石が発見され、本格的に白磁の製品作りに取りかかりました。三川内の皿山に役所を置き、そして木原と江永に出張所も設けられたといいます。

 平戸藩の御用窯が置かれた三川内では、「美」を生み出す技術を追求することができました。高度な技術を持った陶工たちは、藩から手厚く保護されたそうです。

三川内焼の特徴

 三川内焼の白さは、ほかの焼物にくらべて抜きん出ているといわれていますが、これは針尾島の陶石と天草石を混ぜて調合し、生み出された白さだといわれています。現在活躍している陶工の中にも、この陶石の調合にこだわって製作されている方も少なくありません。そして白いうつわの面に澄んだ青い色で描かれる独特の染付けも特徴のひとつです。

 ご存知の方も多いと思いますが、楽しく遊ぶ中国の子どもを描いた唐子絵(からこえ)は三川内焼を代表する絵柄のひとつです。描かれた唐子には、藩の御止焼として厳しい制限もありました。唐子が7人の場合は、朝廷や幕府向け、唐子が5人の場合は大名向け、唐子が3人の場合は武士階級向けとして描かれたといいます。

 陶工たちの技術の追求は、うつわの白さや、染付けだけに留まりませんでした。花瓶の耳や蓋物のつまみ部分などにほどこされた美しい細工や、透かし彫り、卵の殻のように薄く透き通るような白磁は、「卵殻手(らんかくで)」「薄胎(はくたい)」とよばれました。天保年間には池田安次郎が厚さ1mmほどの器を製作しました。その器は主にコーヒー碗として海外へ輸出されて高い評価を受け、知られるようになりました。

 三川内焼伝統産業会館(三川内焼美術館)には、江戸期から明治までの古美術品と現代作品が、常時展示されています。三川内焼の素晴らしい作品が揃っており、匠の「技」と「美」を無料で観覧できます。またここでは、三川内焼の体験プログラムも行われています。ぜひ、参加してみてください。

みかわち焼体験プログラム

 三川内では、以下のような体験プログラムが用意されています。

 

【三川内まち歩き】

三川内山の史跡や窯元を、ガイド付きで散策します。見学や買い物などご要望にも対応できます!

・所要時間:1時間〜2時間

・体験料:500円〜5,000円

※ただし3名以上で1団体(1,500)20名まで1団体とします。

・予約:1週間前までに要予約

 

【透かし彫り体験】

生地を剣先で彫り透かす作業を体験できます。匠の世界を体験してみませんか?

・所要時間:約1時間

・種類:ペン立て

・定員:150人

・体験料:2,000円

・予約:1週間前までに要予約

・完成までの期間:約1ヶ月

 

【手捻り(てびねり)体験】

ろくろを使わない手捻りならではの、味のある器づくりを体験できます!

・所要時間:約1時間

・定員:最大100人

・体験料:1,000円

・予約:1週間前までに要予約

・完成までの期間:約1ヶ月

 

【絵付け体験】

素焼きの磁器に呉須(ごす)で絵付けする作業を体験できます!

・所要時間:約50分

・種類:皿、マグカップ、湯のみ

・定員:最大200人

・体験料:1,000円

・予約:10名様以上の場合要予約

・完成までの期間:約2週間

 

とても気軽に三川内焼にふれることができるのです!

絵付け体験

 今回は、絵付けを体験してきました。まずは素焼きの状態のものの中から皿にするかマグカップにするか、湯のみにするかを決めます。そして以下の手順で絵付け作業を行います。

1.素焼きの焼き物に鉛筆で下書きをします。

鉛筆の色は、焼けたときに消えますが、強く描くと跡が残ることがありますので、力を抜いて下書きしましょう!

2.下書きした構図を呉須絵の具で線描きします。あまり同じところを何回も重ねて描くと焼きあがった時に、きれいな色に仕上がらないので注意が必要です!

3.線描きした絵に濃淡をつけます。水を含ませて、薄く重ね塗りして濃淡をつけます。本描きしたところを触ると、呉須がにじむので注意しましょう!

4.絵付けが終わったら預けます。

 

2週間後の仕上がりが楽しみです・・・。

世界でたったひとつの「三川内焼タビーナ」

 体験から約2週間後、焼きあがったマグカップが届きました。

 絵付けした素焼きのカップは本焼成され、大きさは素焼きの時より少し縮んで小さくなったような気がします。

 色は思ったより薄い仕上がりとなりましたが、マイマグカップとして嬉しい一品です。世界でたったひとつの「三川内焼タビーナ」、これは貴重です!

 今度は、違う絵柄でお皿が欲しくなってきました・・・。

 皆さんも、旅の記念に・・・といわず定期的にマイ器作りはいかがですか?

 

 三川内焼の伝統工芸は、現在三川内名工たちによって再現され、注目を集めています。窯元では、江戸時代の技術を追求しつつも、現代生活に取り入れやすくした新ブランド「NEO-MIKAWACHI」が開発されています。

その作品の一部は、三川内焼伝統産業会館でも観覧できますので、ぜひ足を運んでみてください。

三川内焼伝統産業会館(三川内焼美術館)

開館時間:9:00〜17:00

休館日:年末年始

TEL:0956-30-8080

三川内陶磁器工業組合でも体験プログラムの申込ができます。

TEL:0956-30-8311

 

【三川内焼イベント】

●はまぜん祭り(三川内皿山周辺)

5月1日〜5月5日

窯元主催の陶器市で、一般の方も気軽に窯元とふれあえます。

●三川内陶器市(三川内伝統産業会館前)

10月10日前後の5日間

平成22年度は、10月8日(金)〜10月12日(火)10:00〜16:00

(最終日は少し早く終わります)

名工たちの磨きぬかれた技に魅せられて、全国各地から陶器に親しむ人々が訪れ、賑わいます。ぜひお出かけください。


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