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大瀬崎断崖・大瀬崎灯台

 長崎出身の作家・吉田修一原作で同名映画の「悪人」の中で、妻夫木聡さん演じる祐一と深津絵里さん演じる光代が逃避行の果てに逃げ込んだ“地の果ての灯台”のロケ地が、この大瀬崎灯台です。

 大瀬崎灯台は、1879年(明治12)に竣工した歴史ある施設で、『日本の灯台50選』の一つに選ばれています。老朽化したため、最初の灯台は解体され、1971年(昭和46)に現在の灯台に生まれ変わりました。旧灯台は東海科学館に展示されています。

 またこの大瀬崎には、1898年(明治31)に無線電信機を備えた旧海軍の望楼(ぼうろう)が設置され、日露戦争時の1905年(明治38)にロシアのバルチック艦隊発見の報「敵艦隊見ユ」を受信したことでも知られています。

 灯台のまわりに見える断崖は、五島列島を代表する観光スポットのひとつです。淡褐色の砂岩と黒色の泥岩が交互に重なった地層が、打ち寄せる波濤によって削り取られてできました。地殻変動による傾斜や、断ち切られた断層を随所に見せており、圧巻です。展望台の手前にある展望公園からの眺めは、実に壮大で見事です!周りの島々が本当に美しい。

 また、主に本州で繁殖するハチクマは(タカ目タカ科でトビと同じくらいの大きさの鳥)、秋になると越冬のため中国大陸へ向かって渡ります。この大瀬崎(大瀬崎山山頂)では、ハチクマの群れが中国大陸へ向けて次々と飛び出す様子を間近で観察できる絶好のポイントとしても知られています。この大瀬崎から中国大陸まで約600kmを一気に渡るというからすごいですね。

 ロケ地観光としてだけでなく、ぜひ周りの自然も堪能してほしいスポットです。

 太平洋戦争中には、大瀬崎の目の前を船で通って南方の戦線に赴いていたといいます。灯台の側に整備された展望公園には、再び祖国の地を踏むことがかなわなかった多くの将兵たちの霊を慰めるため、北村西望作の「祷りの女神像」と鎮魂碑が建立されています。

 故・北村西望氏は、長崎県南島原市南有馬町出身の彫刻家で、文化勲章を受けられ、長崎県の名誉県民でもあります。長崎平和祈念像の制作者として有名です。



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