たびながコラム

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平戸焼

 六角や三角の形が大きさを微妙に変えながら一分の狂いもなく配列された模様は、まさに神業です。白磁の本体に伝統の籠目文様が透かし彫りされているものですが、近づいてよく見てみると機械が彫ったのではないかと思うほどです。均等に美しく彫りあげられており、つい我を忘れて見入ってしまいます。気が遠くなるほどの時間を費やして仕上げられる作品は、まさに名匠のなせる手技です。

 写真の作品は、400年余にわたって高度な技術と崇高な精神を受け継ぐ平戸茂右ヱ門の手によって製作されたものです。

平戸焼の特徴

 平戸焼の特徴のひとつには、“優れた細工”があげられます。先に述べたように、均等に六画や三角の模様を手で彫り上げる技術です。透かし彫りとよばれますが、香炉や多宝塔などの作品にも多く使われています。「瓢型花瓶」という作品もその典型的な透かし彫りが施されています。内部には龍が彫り上げられていますが、別々に彫って組み合わせたものではなく、均等な文様をつけた外側の部分から内側の龍の部分を彫り上げているそうです。溜め息が出そうな技術ですね。

 また動物をモデルに造形された作品が多いのも特徴のひとつです。猿が三番叟の装束をつけた立姿の「舌出し人形」は、頭部が差し込み式になっていて、首を振ると口から白い舌が出てくるという面白い仕掛けになったものがあります。いずれも繊細で優美な作品に仕上がっていて、見る人の心を豊かにしてくれます。


平戸焼の歴史

 1598年(慶長3)、朝鮮出兵から帰国する際に、平戸藩主・松浦鎮信が朝鮮半島より陶工を連れ帰ったことから平戸焼の歴史は始まります。体験コーナーの「三川内焼」でもとりあげて紹介しましたが、平戸藩では、三川内に御用窯を置き、高度な技術を持った陶工たちによって作品が作られ、高い評価を受けてきました。以来、朝廷や幕府向けや藩使用の調達品、家臣への下賜品、他藩への贈答品などを作り続けました。さらに白磁の美をきわめた製品は、オランダや中国へ輸出されて諸外国の王侯貴族にも愛されました。

 現在、三川内で作り続けられている「三川内焼」と平戸市の「平戸焼」は、歴史をたどってみるともともとどちらも平戸藩の御用窯(ごようがま)として製作されたものです。明治時代に入り、藩の保護がなくなり、御用窯の制度も廃止されると、窯元は独自に研究を続け、進化してきました。

平戸焼の体験

 平戸市では、平戸焼の伝統技法である透かし彫りや、絵付けなどの体験をすることができます。

 

【すかし彫り体験】

 白磁の本体に、文様を入れて一輪挿しを製作することができます。彫りやすいようにと平戸茂右ヱ門自らが用意してくれた道具を使い、伝統である透かし彫りを施します。下書きに沿って細工をしていきますが、思った以上に白磁本体は柔らかく、容易に細工することができますが、曲面になった位置では角度がつくため、彫りにくいという難しさもあり、思うように彫れると楽しくなってきます。

 

【ミニチュア教会絵付け体験】

 平戸市にある田平天主堂、宝亀(ほうき)教会、紐差(ひもさし)教会は、世界遺産登録をめざす「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の資産候補となっています。これらの教会をはじめ、平戸市にある教会のミニチュアの白磁が用意されてあります。これらの教会に色をつける絵付け体験を行うことができます。

 出来上がった作品は、世界でひとつしかないオリジナル作品となりますので、感動はひとしおです。

 

【体験について】

●体験期間:通年(不定休)

●時間:約1時間30分

●定員:1〜20名(小学生以上)

●参加費

 すかし彫り体験:2,000円(送料含む)

 ミニチュア教会絵付け体験:2,500円(送料含む)

●申込期日:10日前

社団法人 平戸観光協会

長崎県平戸市岩の上町1473

TEL 0950-23-8600

FAX 0950-23-8601

 

関連URL:http://www.hirado-net.com/



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