ながさき歴史の旅

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歴史発見ドライブルート

第3回 近代洋式炭鉱が始まった地、高島

旅のおともは、仲良しリュウくんと『旅する長崎学8』だよ!

 このコーナーでは、長崎県内の歴史を探っていく旅のドライブルートを紹介しています。
 今月の注目エリアは長崎市の『高島』。市町村合併前は、日本で最も面積の小さい町だったそうです。今回の旅は、そんな小さな島「高島」のすごい歴史に迫ります。テーマは、「近代洋式炭鉱が始まった高島」です。さあ、高島へ向かって夏の海をGO!
 おや、高島ってどこにあるのかって? じゃあまずは、高島のことをチェックしておこう!
今回の必携アイテムは、『旅する長崎学8』です

高島って 高島をめぐる

どこかな〜  今回、一緒に旅をしてくれるのは、この「旅する長崎学サイト」オリジナルのキャラクターたちです。
 まずは、高島じまんの美味しいキャラクターが登場するよ!
 長崎港と高島港ターミナルで待ち合わせしてるんだ。楽しみだね!
 あっ、お迎えがきた。
はじめまして!糖度が高くてビタミン豊富な高島特産のトマトです。よろしくね。
はじめまして!糖度が高くてビタミン豊富な高島特産のトマトです。よろしくね。


今回の航路

長崎港〜高島港の地図
長崎港 旅客線乗り場の地図

今回のサイクリングルート

高島町の地図

01長崎港

02稲佐山

↓長崎港を出航〜高速船で約5分

03三菱重工業(株)長崎造船所立神工場【船窓より】

↓高速船で5分

04女神大橋(めがみおおはし)【船窓より】

↓高速船で約3分

05高鉾島(たかほこじま)【船窓より】

06神ノ島教会(かみのしまきょうかい)【船窓より】

↓高速船で約6分

07伊王島【船窓より】

↓高速船で約15分

08高島港ターミナル

↓自転車で約1分

09高島石炭資料館

↓自転車で約1分

10百間崎(ひゃくまざき)

↓自転車で約1分

11コンニャク煉瓦の擁壁(ようへき)

↓自転車で約2分

12高島海水浴場・ふれあいキャンプ場

↓自転車で約1分

13飛島磯釣り公園(とびしまいそづりこうえん)

↓自転車で約3分

14グラバー別邸跡

↓自転車で約1分

15後藤象二郎邸跡

↓自転車で約1分

16北渓井坑跡(ほっけいせいこうあと)

↓自転車で15〜20分程度(上り坂のためゆっくり)

17権現山(ごんげんやま)公園・展望台

↓自転車で10分程度

18高島風力発電所・浜節歌碑

↓自転車で約5分。高島港ターミナルへ戻ります。

スポットの紹介

01長崎港
長崎港 1571年(元亀2)のポルトガル船の来航以来、開港され、鎖国政策をとった徳川幕府時代も唯一西洋に開かれた門戸として、海外文化の受け入れに重要な役割を果たしてきました。
 港内に堆積して海上交通の支障となっていた土砂を掘削することを目的として、明治維新後から昭和初期にかけて3度の改修工事が行われました。しかしその工事によって、1636年(寛永13)に造られた人工島の出島周辺は埋め立てられ、残念ながら当時の風景はほとんど見られません。
 そして1923年(大正12)、長崎-上海間に日本郵船(株)の長崎丸が就航し、上海航路の時代が幕開け・・・。長崎は外国人観光客や関西方面のからの旅行客で大いに賑わいました。
 現在、長崎港からは、高島のほか下五島・上五島・伊王島への航路があります。また、港めぐり・軍艦島遊覧など遊覧コースも人気があり、多くの人々に利用されています。
高島へ渡る船「コバルトクィーン号」 高島へ渡る船「コバルトクィーン号」船内
高島へ渡る船「コバルトクィーン号」
02稲佐山

稲佐山  標高333mと、東京タワーと同じ高さ。山頂から見える景色は良好で、日本3大夜景といわれています。ロープウェイもあり、長崎の代表的な観光スポットとして多くの観光客の皆さんが訪れています。また、野外でのコンサートやイベントなども開催され、市民にも親しまれている憩いの場のひとつです。

出航!!いってきま〜す!!
約35分の船の旅で、ちょっとしたクルーズ気分。長崎港内の景色を楽しみながら、さあ高島へ出発!!
03三菱重工業(株)長崎造船所立神工場(みつびしじゅうこうぎょうながさきぞうせんしょたてがみこうじょう)【船窓より】
三菱重工業(株)長崎造船所立神工場 1853年(嘉永6)のペリーの来航以来、列強国からの侵略を防ぐべく、江戸幕府はオランダの助力を得て1855年(安政2)に長崎海軍伝習所を設立しました。それにともなう艦船の修理施設として、1857年(安政4)に飽の浦(あくのうら)で長崎製鉄所(当初は長崎鎔鉄所)の建設が始まりました。これが日本の近代重工業の原点となります。明治維新後に官営を経て三菱に経営が移転し、長崎造船所と改称。明治後期には東洋一の造船所となりました。
 船の窓から、近代化産業遺産を見ることができます。約100年が経過した今でも現役で稼動している、英国製の150トンのハンマーヘッドクレーンは、1909年(明治42)に設置されたものです。1942年(昭和17)竣工の戦艦「武蔵」を秘密裏に造った船台として知られています。また、ワシントン海軍軍縮条約により廃艦となった戦艦「土佐」を、1920年(大正9)に起工しています。
04女神大橋(めがみおおはし)【船窓より】
女神大橋(めがみおおはし) 愛称は、ヴィーナスウイング。2005年(平成17)12月11日、10時30分に女神大橋は開通式を迎え、15時から供用が開始されました。全長1,289m。海面からの高さが65mあり、日本一です。高い塔から斜めに張ったケーブルで吊下げた斜張橋です。ケーブルで吊られているために吊橋のように見えますが、力学的には桁橋に属します。長崎市大浜町と長崎市新戸町を繋いでいます。

このあたりから外海になるから波が高くなるよ
05高鉾島(たかほこじま)【船窓より】
 右手に三角の形をした、高鉾島が見えます。オランダ人たちはこの高鉾島を、“パーペンベルグ(キリシタンの島)”と呼んだそうです。
 1614年(元和)に徳川幕府が禁教令発布した3年後のこと。高鉾島で、宣教師をかくまっていた宿主のガスパル上田彦次郎とアンドレア吉田の2人が役人に捕らえられ、1617年(元和3)10月2日に斬首されるという事件が起こりました。この事件は一般の領民であるキリシタンが処刑された最初の出来事でした。殉教した2人は1867年(慶応3)に"福者"となりました。
06神ノ島教会(かみのしまきょうかい)【船窓より】
神ノ島教会(かみのしまきょうかい) 高鉾島を通り過ぎる頃に振り返ると、切り立つ断崖の中腹に白亜の教会・神ノ島教会が見えます。
 神ノ島は、周囲わずか1kmほどの小さな島でした。17世紀頃のキリシタン禁教令から逃れるためにキリシタンが住み着き、約260年以上もの長いあいだ、潜伏してキリスト教の信仰を守った場所でした。1873年(明治6)2月に、幕府の禁教令の高札が撤廃され、1876年(明治9)に、念願だった仮聖堂が建立。1881年(明治14)にラゲ神父によって木造の教会が建てられました。現在の教会堂の原型となるのは、1897年(明治30)に6代目として赴任してきたデュラン神父が、自ら私財を投じ、信徒と力を合わせて完成させた煉瓦造りで、約110年もの歴史ある教会堂です。
 敷地内には、信仰復活に勇敢に行動した西忠吉・政吉の兄弟の墓碑と記念碑があります。

※神ノ島教会と高鉾島の詳しい紹介はこちらをご覧ください。
07伊王島【船窓より】

伊王島 右手に、南北に連なる沖之島と伊王島が見えます。2つの島のあいだは、1911年(明治44)に架設された36メートルの橋で結ばれています。
 船上からはオレンジ色の屋根のリゾート施設や、1890年(明治23)に建てられた白亜のゴシック様式の天主堂・沖之島教会が見えます。夜はライトアップされ、ひときわ美しく荘厳な雰囲気を漂わせています。


伊王島・沖之島教会※長崎港〜高島港の航路は、神ノ島や伊王島を経由します。(神ノ島を経由しない便もあります)

※詳しくは、長崎汽船株式会社公式サイトをご覧ください。
08高島港ターミナル
高島港ターミナル 
高島港ターミナル・タビーナちゃんようこそ高島へ
09高島石炭資料館
高島石炭資料館 明治・大正・昭和にわたって長年創業してきた高島炭鉱の歴史を後世に伝えるために1988年(昭和63)にオープン、そして2004年(平成16)にリニューアルされました。
 1階では、高島炭鉱の石炭採掘の歴史や関わりの深い人物、三菱の社船「夕顔丸」の紹介をはじめ、当時の炭鉱作業に関する写真パネル、本・映像など詳細の資料が揃っています。2階には炭鉱組合記念品や化石資料、民具などが展示されています。
高島石炭資料館 高島石炭資料館 高島石炭資料館

■開館日 :毎週火曜日〜日曜日 9:00〜17:00
■休館日 :毎週月曜日・年末年始
■問合せ先:高島教育センター TEL:095-896-3110
10百間崎(ひゃくまざき)
百間崎(ひゃくまざき) 炭坑開発のため、防波堤を築き、海を埋め立てて炭坑施設用地を造りました。その防波堤が非常に長く、百間(ひゃっけん・約180m)ほどもあることから、この先の地名は「百間崎(ひゃくまざき)」と名づけられました。
11コンニャク煉瓦の擁壁(ようへき)

 1887年(明治20)頃、百間崎坑開発のために道路を建設し、その擁壁として利用されたものです。薄い煉瓦は、その形や大きさがコンニャクに似ていたことから、「コンニャク煉瓦」と呼ばれました。このコンニャク煉瓦は高島石炭資料館にも展示されています。

コンニャク煉瓦の擁壁(ようへき) コンニャク煉瓦(高島石炭資料館)
コンニャク煉瓦の擁壁(ようへき) コンニャク煉瓦(高島石炭資料館)
12高島海水浴場・ふれあいキャンプ場

高島海水浴場・ふれあいキャンプ場 1997年(平成9)にオープンした人工海水浴場で「日本の水浴場88選」に選ばれています。
 砂浜、タイル、ウッドデッキ、芝生が整備されていますので、小さなお子様連れでも安心して遊べます。入場料・桟敷料・シャワー料金など無料で利用できます。
 また海水浴場と隣接してふれあいキャンプ場があります。炊飯棟も完備され、キャンプに必要な道具一式が揃っていますので、手ぶらでも安心して利用できます。ただし事前に予約が必要です。


UMIBOUZ in 高島

高島海水浴場・ふれあいキャンプ場

13飛島磯釣り公園(とびしまいそづりこうえん)
飛島磯釣り公園 昔からこの地は好漁場で、イシダイやマダイ、クロダイ、ブリ、ヒラス、アオリイカなどさまざまな種類の大型魚を釣ることができます。初心者から経験豊富な方まで思う存分釣りを楽しむことができます。外洋式の釣り公園として、国内でも有数の施設といわれています。
■入園料 :大人500円 小人 250円(見学のみ 大人 100円 小人:50円)
■営業時間:4月〜10月:7:00〜18:00 11月〜3月:7:00〜17:00
■休園日 :12月〜2月の火曜日(火曜日が祝日の場合は翌日)、1月1日
14グラバー別邸跡
グラバー別邸跡 トーマス・グラバーが、高島炭坑開発のため1868年(慶応4)に洋式の邸宅を建て、1872年(明治5)まで居住したところです。ここから長崎の南山手の自宅と電話を繋ぎました。日本初の私設電話といわれています。
 周囲には建物の基礎石や井戸跡などが残されています。
15後藤象二郎邸跡
後藤象二郎邸跡 後藤象二郎は、土佐藩士。土佐藩の武器や物資の輸出入を扱う「開成館」奉行を勤め、明治維新後、大阪府知事などを経て1871年(明治4)から「蓬莱社(ほうらいしゃ)」を経営しました。
 1874年(明治7)1月、高島炭鉱の経営は官営となっていましたが、同年11月政府にお金を払って許可を得て、高島炭鉱の経営に乗り出しました。
16北渓井坑跡(ほっけいせいこうあと)
北渓井坑跡(ほっけいせいこうあと) 安政の開国にともない外国船の燃料需要が高まったことが契機となり、1868年(慶応4=明治元)、当時高島を領有していた佐賀藩は、英国商人グラバーと共同で高島炭鉱を経営することになりました。翌年、グラバーと英国人技士モーリスが島内に北渓井坑を開坑。竪坑に蒸気を動力とした巻揚機と排水ポンプを導入し、波止場までレールを敷いて掘り出した石炭を運搬するなど、日本初の洋式採炭法を取りいれたことで生産力は飛躍的に向上しました。この北渓井坑での生産技術が筑豊や北海道に伝わり、我が国の炭坑開発は近代化していきました。
 1876年(明治9)まで稼動しましたが、その後は井戸として利用されました。現在は公園化されています。
権現山途中

権現山(ごんげんやま)公園・展望台端島(軍艦島)

17権現山(ごんげんやま)公園・展望台

権現山(ごんげんやま)公園・展望台から見る風景

権現山(ごんげんやま)公園・展望台 高島で一番高い標高115mの場所にあり、島内はもちろんのこと、端島や長崎半島、西彼杵半島(にしそのぎはんとう)、遠くは五島列島をも見渡すことができます。またここから見える五島灘の夕景は絶景です。
 展望台から南西方向へ降りると、巨大な岩が三方を囲む空間があり、ここに大蛇が住んでいたという伝説がある蛇谷(へびのたに・へびだに)があります。


伝説を読んでみる

18高島風力発電所・浜節歌碑

浜節歌碑  出力600kWの風力発電機(風車)は、年間約170万kWhの発電量をまかなっています。一般家庭の約450世帯分です。そして年間約400トンの二酸化炭素を削減しているといいます。この地は公園化されており、風車の脇には、お座敷唄として唄い継がれてきた『浜節』の歌碑が建てられています。
 この場所からの景観は素晴らしく、端島や中ノ島がよく見えます。また高島炭鉱時代にボタによって埋め立てられた上二子島・下二子島があったところには、現在ふれあい多目的運動公園が整備され、地元の人々に活用されています。

高島風力発電所・浜節歌碑

参考文献
  • 旅する長崎学8』(企画/長崎県 制作/長崎文献社)
  • 『高島町 閉町記念誌』
取材協力
長崎港 稲佐山 三菱重工業(株)長崎造船所立神工場 女神大橋 高鉾島 神ノ島教会 伊王島 高島町地図へ 飛島磯釣り公園 グラバー別邸跡 後藤象二郎邸跡 後藤象二郎艇跡 北渓井坑跡 北渓井坑跡 高島海水浴場・ふれあいキャンプ場 コンニャク煉瓦の擁壁 コンニャク煉瓦の擁壁 百間崎 高島石炭資料館 高島石炭資料館 高島港フェリー乗り場 高島港フェリー乗り場 権現山公園・展望台 権現山公園・展望台 高島風力発電所・浜節歌碑

うんちくバンク

人物
  • グラバー
  • 後藤象二郎 
  • 福者
  • ペリー
歴史事件
  • ポルトガル船の来航
資料
  • コンニャク煉瓦
場所
  • 神ノ島教会
  • 高島石炭資料館
  • 高島炭鉱 
  • 高鉾島
  • 飛島磯釣り公園
  • 女神大橋
その他
  • 開成館
  • 上海航路
  • 長崎製鉄所
  • 北渓井坑 

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