北風が吹いたら季節到来
平戸のアゴ漁
9月から10月頃に最盛期を迎えるアゴ(トビウオ)漁。平戸では、この時季に吹く風を「アゴ風」と呼び、九州から山陰にかけての海底で産まれた、ホソアオトビやツクシトビウオなどの稚魚が北風とともに南下してくる。串に刺したアゴを、炭火でまんべんなくこんがり焼いてしっかり乾燥させると、旨味が深い上品なだしが完成。黄金色に透き通ったアゴだしは、お正月の雑煮や茶わん蒸し、うどん、煮物など様々な料理と相性がいい。
撮影協力:林水産(平戸市)
ようこそ、長崎のミュージアムへ
かつて博多と中国の寧波(ニンポー)を結んだ「大洋路」の中継地だった平戸島は、国内有数の貿易港として発展した歴史を持つ。中国船、ポルトガル船が来航し、やがて幕を明けたキリシタン時代。様々な思惑や憶測を生む火種になる一方で、信仰が信徒たちの心を支えた。

歴史ある建物と多様なコレクション
松浦史料博物館・
平戸オランダ商館

歴史ある建物と多様なコレクション
松浦史料博物館・
平戸オランダ商館
城下町の風情が残る平戸市街地をそぞろ歩くと、高台に立派な石垣が見えてくる。1893年に建てられた松浦家の私邸「鶴ケ峯邸」を活用した松浦史料博物館は、平戸藩主となり、壱岐を含む長崎県北部を治めるようになった松浦家の繁栄を伝える施設。松浦家三十四代清(静山)によって収集されたものがコレクションの大半を占めるほか、歴代当主の愛用品なども鑑賞できる。松浦史料博物館から歩くこと約十分。平戸オランダ商館にたどり着く。海沿いに佇む白亜の建物は、1639年築造の平戸和蘭商館の倉庫を忠実に復元したもの。松浦史料博物館とあわせて訪ねたい。
かくれキリシタン信仰と
捕鯨の歴史を今に伝える
平戸市生月町博物館・島の館

かくれキリシタン信仰と
捕鯨の歴史を今に伝える
平戸市生月町博物館・島の館
手つかずの自然が残る生月島は、禁教期に密かに守られてきたかくれキリシタン信仰が、受け継がれてきた島である。館内のかくれキリシタンコーナーでは、お掛け絵やコンタツ、お水瓶など信者から寄贈された信仰用具を展示。また、それぞれがどのように使われてきたのか、行事の様子を撮影した写真や映像などからも理解できるよう工夫している。また、生月島は江戸時代に捕鯨やマグロの定置網漁で栄え、日本最大の鯨組・益冨組が生月島を本拠地とした。鯨獲りの様子を表現したジオラマや天空を舞うミンククジラとツチクジラの骨格標本、捕鯨技術や定置網技術の変遷など、実物や模型を含めた立体的な展示も見どころ。

構成資産
平戸の聖地と集落
生月島の東の沖合に浮かぶこの島は、主に生月島のかくれキリシタンが、岩からしみ出す水を採取し聖水とする「お水取り」の儀式を執り行う大切な場所。船着き場がなく危険なため、上陸は原則禁止である。

構成資産
平戸の聖地と集落
平戸島の西海岸に位置する「春日集落」。日本における初期のキリスト教布教地となり、禁教後も密かに信仰が継承され、禁教が解かれた後も「かくれキリシタン」として信仰を継承し続けた。集落の中央には丸尾山があり、そこから眺める棚田の風景は必見。そのほか集落に関する詳しい情報は、案内所「かたりな」で収集できる。

構成資産
黒島の集落(佐世保)
佐世保市本土から西へ約十二キロ離れた黒島は、移住した潜伏キリシタンが平戸藩の牧場跡を開拓して密かに祈りを続けた地。禁教が解かれた後、カトリックに復帰した信徒たちは、マルマン神父の設計をもとに黒島教会を建立した。

歴史に名を刻んだ
日本人棟梁は
教会建築の伝道師
1506‐1552年
イエズス会の創設者の一人。東洋で布教するべく、インド、それに次いで1549年に日本の鹿児島に到着。初めて日本にキリスト教の種をまいた。2年ほどの滞在であったが彼が布教に訪れた鹿児島、平戸、山口、堺、豊後を中心に信仰が芽吹き広がった。

北風が吹いたら季節到来
平戸のアゴ漁
9月から10月頃に最盛期を迎えるアゴ(トビウオ)漁。平戸では、この時季に吹く風を「アゴ風」と呼び、九州から山陰にかけての海底で産まれた、ホソアオトビやツクシトビウオなどの稚魚が北風とともに南下してくる。串に刺したアゴを、炭火でまんべんなくこんがり焼いてしっかり乾燥させると、旨味が深い上品なだしが完成。黄金色に透き通ったアゴだしは、お正月の雑煮や茶わん蒸し、うどん、煮物など様々な料理と相性がいい。
撮影協力:林水産(平戸市)
ONE ANSWERとは
時空を超えて
宝箱を空けるような
旅に出かけよう。
長崎の歴史は、多様な文化が層のように重なり合いながら形成されてきました。そしてその層は複雑かつ難解な一方で、未来というまだ見ぬ世界に受け継がれるべき宝の蓄積でもあります。「ONE ANSWER」とは、“無数にある宝と宝をつないでひとつの答えにたどりつく”という意味を込めた言葉です。この言葉をキーワードに平戸、長崎、島原半島、外海、五島列島の博物館・美術館を訪ねてみませんか。長崎の宝を語るうえで重要な「海外交流」と「信仰」の歴史が見えてくるでしょう。
※掲載している収蔵品の中には、常時展示されていない資料が含まれています。展示状況につきましては、各館にお問い合わせください。
世界文化遺産
