キリシタン文化編1「長崎でザビエルを探す」


1550年8月、平戸にザビエルが上陸してから、長崎のキリスト教の歴史ははじまった。ザビエルは日本での布教計画を立て、それを多くの宣教師たちが実践し、キリスト教は日本各地に広まっていった。大村純忠は、横瀬浦で洗礼をうけ、日本初のキリシタン大名となった。1570年にはポルトガル貿易のために長崎を開港。長崎はやがて、さながら「小ローマ」のようなキリシタンの町として繁栄した。

 

旅する長崎学1 キリシタン文化I 長崎で「ザビエル」を探す 目次

[巻頭特集]ザビエルが平戸にまいたキリスト教の種子
第1章 ザビエル、フィランド(平戸)に来る
第2章 ザビエル、平戸のキリシタンに永遠の別れ
第3章 あっ!ザビエルを見つけた!
第4章 聖フランシスコ・ザビエルの生涯
第5章 ザビエルが去ったあとの平戸事件簿
●寄稿 五野井隆史「平戸における宣教師と貿易船」
[特集II]宣教師たち長崎で動く!ザビエルの遺志を継いだ人々
第1章 日本布教長トーレス神父の生涯
第2章 アルメイダとヴィレラの足跡
第3章 『日本史』の著者 フロイス
第4章 布教の苦難に立ち向かった宣教師たち
●寄稿 結城了悟「ザビエルから洗礼を受けたロレンソ了斎」
●キリシタン用語の基礎知識
[特集III]キリシタン大名 大村純忠のナゾ
第1章 純忠、横瀬浦で受洗 日本初のキリシタン大名誕生
第2章 生涯の悲運を不自然な家系から読み解く
第3章 純忠、長崎の開港を認める
第4章 長崎をイエズス会に寄進した純忠の栄光と悲劇
●寄稿 稲富裕和「日欧交流の架け橋 天正遣欧使節と大村純忠」
●400年前につたわった南蛮文化を味わう
[特集IV]「小ローマ長崎」と消えた教会
第1章 開港、キリシタンの町長崎のはじまり
第2章 岬の教会物語
第3章 長崎の消えた教会跡めぐり
第4章 慈善・福祉事業の発祥 ミゼリコルディアの組
●寄稿 片岡瑠美子「聖都ローマと小ローマ長崎」

 


[巻頭特集]ザビエルが平戸にまいたキリスト教の種子
フランシスコ・ザビエルが書いた数々の手紙には、日本布教のシナリオが簡潔に示されている。これを集約すると、日本での布教をいかに進めるべきか、その道筋が浮かび上がる。ザビエルが日本を去ったあと、宣教師たちはこれを受け継ぎ、実践していった。

[特集II]宣教師たち長崎で動く!ザビエルの遺志を継いだ人々
ザビエルの布教のシナリオは、日本に同行したイエズス会宣教師たちが中心になって実践した。布教の困難に立ち向かいながら、ザビエルによってまかれたキリスト教の種子は、長崎の各地に根をおろしていく。トーレス、フェルナンデスらをはじめ、ザビエルの遺志を受け継いだ宣教師たちの「布教プロジェクト」の動きを追う。

特集III]キリシタン大名 大村純忠のナゾ
キリシタン領国を築いた、その人生に見る光と影。横瀬浦、福田、長崎を開港し、キリシタンの町をつくった波乱の生涯。

[特集IV]「小ローマ長崎」と消えた教会
長崎の町の繁栄ぶりは、さながら「小ローマ」のようだとつたえられたように、教会が数多く建てられ、キリシタンの町になった。南蛮貿易の中心地として栄えた長崎は、南蛮屏風にも描かれた。その時代の痕跡をたどる。