歴史の道編I「平戸街道ウォーキング」


明暦2年(1656)、平戸藩は江戸参勤の交通の便を図るため、街道の要所に人や馬を配備し、駅を設けます。その2年前の承応3年(1654)、平戸藩は幕府の命により長崎港の周囲に台場を築き、外国船の侵入を取り締まる長崎警備役も担うようになりました。
下方街道、唐津街道、波佐見往還は平戸街道の脇往還です。平戸島を北から南に縦断する下方街道は、領民たちに霊山として崇められてきた志々伎山と安満岳に詣でるための「祈りの道」でした。早岐から三川内までの長崎県を通る唐津街道と、波佐見を中心に川棚と佐賀県の有田・伊万里、武雄をつなぐ波佐見往還は、「セラミック・ロード(陶磁器の道)」の出発点でした。海外へ輸出された三川内焼や波佐見焼が運ばれました。

 

旅する長崎学18 歴史の道I<平戸街道ウォーキング> 目次

[平戸街道]台地と海が織りなす歴史模様
■本陣コース(田平~江迎~佐々) MAP
[道案内] 起伏にとんだ台地を大名行列が行く
[歴史のとびら] 本陣や御茶屋でリフレッシュ
[祭カレンダー・花ごよみ・よかもん・キバル21世紀人]
◇寄稿 山下庄左衛門(潜龍酒造12代当主) 「語り継ぐ江迎本陣の水物語」

■坂道コース(佐々~中里~佐世保~早岐) MAP
[道案内] 色濃く刻みこまれた江戸期のあとさき
[歴史のとびら] 平戸街道を彩る個性豊かな石垣
[祭カレンダー・花ごよみ・よかもん・キバル21世紀人]

■藩境コース(早岐~川棚~彼杵・思案橋) MAP
[道案内] 「免」から「郷」への番所を通る
[祭カレンダー・花ごよみ・よかもん・キバル21世紀人]
◇寄稿 久家孝史(松浦史料博物館学芸員)「平戸藩は船の活用が得意だった」

[下方街道、唐津街道、波佐見往還]いま、脇往還がおもしろい
■下方街道北部コース(平戸城大手門~法音寺橋、安満岳追分~安満岳) MAP
[道案内] 下方街道は神秘的で野生に満ちている
[歴史のとびら] 10代藩主・熈は観光プロデューサー?!
[祭カレンダー・花ごよみ・よかもん・キバル21世紀人]

■唐津街道三川内コース(早岐~三川内皿山~三川内) MAP
[道案内] 三川内焼を世界とどける
[道草スペシャル] 三川内皿山に伝統をみる
[祭カレンダー・花ごよみ・よかもん・キバル21世紀人]

■波佐見往還(川棚~舞相~岩峠~舞相~小樽・小仏) MAP
[道案内] 波佐見焼を背負った馬が往還を行く
[道草スペシャル] 史跡「肥前波佐見陶磁器窯跡」めぐり
[祭カレンダー・花ごよみ・よかもん・キバル21世紀人]
◇おもな街道ワード
◇長崎三街道とその脇往還MAP

 


[平戸街道]台地と海が織りなす歴史模様
殿さま一行が赤茶けた尾根道を行く本陣コース。
時代の記憶が刻みこまれた坂道コース。
「免」から「郷」への番所をまたがる藩境コース。
平戸街道には、台地と海が織りなす歴史模様がちりばめられている。

[下方街道、唐津街道、波佐見往還]いま、脇往還がおもしろい
平戸島を北から南へ縦断している下方街道には、ふたつの神山の霊気が流れている。
三川内焼の唐津街道と波佐見焼の波佐見往還は、世界につながるセラミック・ロードの歴史を語りはじめた。
静かに時を待っていた平戸街道の脇往還がいま、おもしろい。