Modernization II: Nagasaki as an Open-air Industrial Museum


In Japan, the term “heritage of modernization” is used to collectively denote buildings related to industry, transportation, civil engineering, etc. that were constructed by modern methods during the period from the final days of the Edo period to the end of WWII and contributed to the modernization of Japan. Even while Japan was following a national isolation policy, Nagasaki pioneered the introduction of Western technologies. Around the end of the Edo period, Nagasaki was a place for the shogunate to learn Western military technologies, resulting in the local development of industrial technologies related to shipbuilding, coal mining, etc., which underpinned Japanese heavy industries. Therefore, in the prefecture, there are many valuable items showing the heritage of modernization, which symbolizes the dawn of modernized Japan.

 

旅する長崎学8 近代化ものがたりII 長崎は野外産業博物館 目次

[巻頭ズームアップ] 長崎に残る近代化遺産の造形美に大接近
針尾無線塔、そろばんドック、軍艦島、本河内高部ダム、吉井川橋梁
◆寄稿 岡林隆敏「近代化遺産が集積する長崎県」
[特集1]日本近代化産業の夜明けは長崎の造船・炭鉱から
第1章 日本の造船業が生まれた町・長崎 今も残る黎明期の意向を探索!
第2章 長崎の造船の歴史にズームイン! 史料館で150年の時間旅行
◆インタビュー 横川清「ものづくりへの情熱を語る史料館」
第3章 日本の炭鉱業はここから始まった! 高島と「軍艦島」に迫る旅
第4章 かつて小規模炭田が点在 炭鉱業が生んだ遺構を探索
[特集2]鎖国の窓「出島」の町から 近代日本の「扉」となった長崎
第1章 貿易都市長崎港の近代化 港湾設備の整備で上海航路の時代へ
第2章 長崎を行き交う多くの人々が利用した出島橋と日見トンネル
第3章 水不足と疫病の蔓延を防げ! 近代ダムと上下水道施設の設備
◆寄稿 東條正「近代港湾都市長崎の形成」
[特集3]人の流れを作ったレールロード 東京、海外までつながった
第1章 旧九州鉄道の終着駅 長崎は陸路・海路の結節点
◆寄稿 鉄川進「消えた長崎港駅と蒸気機関車の記憶」
第2章 島原半島&松浦半島のローカル鉄道に見る近代化
第3章 長崎市民と観光客の「足」 チンチン電車の誕生から現在
[特集4]国防の要衝として重視された長崎は「西の守り」の最前線
第1章 鎮守府時代の遺構が残る佐世保 軍港の面影を色濃く映す
第2章 海軍施設がもたらした生活の近代化 佐世保の水道施設と建造物
第3章 日本の国際通信の第一歩は長崎から 国際海底電信と無線施設
第4章 西の国防最前線を担った対馬・壱岐 砲台・軍港の遺構をたどる
◆インタビュー 川内野篤「佐世保は町じゅうが近代化遺産!」
[付録] ■資料館めぐり■年表

 


[巻頭ズームアップ] 長崎に残る近代化遺産の造形美に大接近!
見る者を震撼させる、圧倒的なスケール感。建設から幾十年かが過ぎ、今に続く歴史のなかで果たした役割とともに、なお普遍的な魅力を失わず存在しつづけている – それが近代化の遺産である。まずは大接近して、産業の近代化に関わった先人たちの技術を見てみよう

[特集1]日本近代産業の夜明けは長崎の造船・炭鉱から
列強からの侵略を防ぐべく、江戸幕府はオランダの助力を得て長崎に海軍伝習所を設立。それに伴う艦船の造修施設として、長崎製鉄所の建設が始まった。また、安政の開港で長崎に入港する外国船が増えると、その燃料として石炭の需要が増大し、長崎県各地で採掘された良質な石炭は、東アジアを中心として世界的な海運網を支える存在となった。

[特集2]近代日本の「扉」となった長崎
日本が開国すると、近代的な貿易の拠点として長崎に外国人居留地が建設された。明治期に入ると、港湾や道路の改修、鉄道の開通などが進み、物流や人の移動が飛躍的に発展した。大正から昭和にかけては、海外航路の確立により長崎港は賑わい、国際貿易都市として絶頂期を迎えた。

[特集3]人の流れを作ったレールロード
「鉄道発祥の地」といわれる長崎だが、旅客鉄道の開通にはそれから30余年を要した。東京と長崎、長崎県内各地、そして海外と長崎をつないだレールロードは、人や物資の流れをますます盛んにし、まさに新時代の流れを象徴する存在だった。

[特集4]長崎は「西の守り」の最前線
幕末から昭和戦前期にかけて、日本は常に列強の脅威にさらされていた。なかでも国土の西端である長崎県の対馬と壱岐は国防の最前線と位置づけられた。また、佐世保は1886年に鎮守府の設置が決定して以降、驚くべきスピードで近代化が進んだ。