海の道編IV 平戸・松浦「西の都への道」

 


平戸・松浦の地で、精一杯生きた人たち。
西の海を治めていた武士たちの小さな勢力が集まった「松浦党」。
彼らは戦いを重ねながら、領地を守った。
その中で台頭した平戸松浦氏。貿易で財をなした歴代の主たちは豊かな文化を育んだ。
信仰の形に翻弄されながらも激動の時代を生き抜き、家を代々守り抜いた。
江戸時代に栄えた西海捕鯨は松浦氏を支え、藩内の経済や文化活動を潤す。
一頭の巨大な鯨を前に、人々が一団となり、命がけで挑む漁。
生きとし生けるものの刹那の命を知る彼らだからこそ、力いっぱい生きたのかもしれない。
今、彼らの息遣いを探し、そのパワーを感じる旅に出る。

 

旅する長崎学14 海の道IV<平戸・松浦> 目次

[序章]平戸・松浦 5つの物語

MAP:アクセスマップ
◆平戸・松浦の魅力
◆資料館めぐり

[元寇の物語]西海の武士「松浦党」と元寇
海を司った「松浦党」をひもとく
元の襲来! 鎌倉幕府を脅かした2つの戦
鷹島の水中考古学探訪 海に沈んだ船が歴史を語る
◆MAP:新鮮な魚が食べたい! 鷹島と松浦を旅する
◆MAP:自然散策の島 福島をゆく
◆インタビュー 山下寿子(鷹島歴史民俗資料館学芸員)
[貿易の物語]交易で潤う国際貿易都市 平戸 中国・西洋への窓口
海を舞台に活動した倭寇と王直
海の守り神 媽祖は中国との交流の証
「国性爺合戦」のヒーロー 鄭成功は平戸生まれ
日本初 西洋の商館 オランダとイギリスの拠点
◆MAP:平戸のオランダとイギリスを探せ
[文化の物語]平戸松浦藩の武家文化 華開く西の都へ
「茶」伝来の地 独自に開花した武家茶道 鎮信流
朝鮮半島から渡った陶工たち 平戸藩のやきもの
文化創造のパイオニア 平戸歴代藩主たちの文化行政
◆MAP:武家文化の香り 平戸城下を訪ねる
[信仰の物語]平戸の精神を探る そこは信仰のるつぼ
山岳信仰と海上信仰の原型を残す 志々伎山
独自の信仰 カクレキシリタン
古寺名刹にみる 信仰が溶け合う平戸の精神
◆MAP:宗教を超えて 平戸の精神を訪ねる
[捕鯨の物語]勇魚漁で栄えた生月 鯨組の隆盛を訪ねて
日本最大の鯨組「益冨組」
史料に描かれた捕鯨の姿
◆インタビュー 中園成生(平戸市生月町博物館「島の館」学芸員)
◆MAP:鯨捕りの島・生月の自然と鯨組の足跡

 


[元寇の物語]西海の武士「松浦党」と元寇
  時として、異国との戦いに挑んだ武士たちは、命をかけて土地や民を守り抜いた。海の中に沈んだ戦いの遺物が当時の状況を物語る。

[貿易の物語]交易で潤う国際貿易都市 平戸 中国・西洋への窓口
  外国人たちとの密な交流の足跡が平戸島には残る。国際色豊かな街は、海外の新しい情報や知識に敏感で、それらを寛容に受け入れた。その交易の証を探しに平戸を旅する。

[文化の物語]平戸松浦藩の武家文化 華開く西の都へ
  平戸を治めた歴代藩主は知識人たちと交流を持ち、好学の家柄だった。文化を重んじ、はぐくむ姿は郷土への深い愛に満ちあふれている

[信仰の物語]平戸の精神を探る そこは信仰のるつぼ
  教会と寺が同居する写真は、平戸おなじみの風景である。さまざまな宗教を受け入れてきた平戸の人々の純朴で謙虚な生き方に出会うたびへ。

[捕鯨の物語]勇魚漁で栄えた生月 鯨組の隆盛を訪ねて
  生月の捕鯨文化を訪ねるたび。鯨の恩恵への感謝を忘れず、懸命に生きた人たちの生きざまを垣間見ることができる。